横目流し目 暮らしの中の桜

桜の向こうの琵琶湖

花の盛りを京都で迎えました。花見に来たわけではありません。4月12日から5月6日まで大阪京都で写真展が続きます。そう、仕事のために来たのです。でもね、ずっと仕事ばかりでは息が詰まるので、ちょうど見頃だし花見でもしようかと。
花の下で宴会をするのも悪くはないけれど、酒ならほぼ毎日のようにどこでも飲めるので、花の下をそぞろ歩き季節をじっくり感じるのもいいかなと。まずは車を飛ばして琵琶湖のほとりに。何も花の名所を訪ねるわけではありません。公園や小さな川のほとり畑や田んぼの脇に、そう普通に人々が暮らすそのすぐそばに桜が咲いているのです。滋賀の人はいいな。わざわざ花見に行かなくてもちょっと散歩に出かけるだけでたっぷり花が楽しめるわけです。しかも花よりも人が多いんじゃないかなどということもありません。静かに、存分に季節の移ろいを感じることができるのです。
そういえば、京都の実家の周辺にも桜、たくさんあります。とりわけ母が好きだった川べりの桜は綺麗です。とある会社の敷地に植えられた桜ですが、毎年綺麗に花を咲かせます。母はこの桜が好きで、花の時期になると毎日のように散歩に出掛けていました。母が亡くなって2年。あの桜はどうなっただろうとカメラをぶら下げて行ってみました。すると社屋の新築工事に取り掛かるのか敷地の造成工事が進んでいました。残念ながら件の桜は伐採されて影も形もありませんでした。根っこまで綺麗に掘り起こされて。
母がこれを知ったら残念がるだろうな。しばらくその場所を眺めていましたが、ああそうかと思いました。こうやって暮らしの場面、風景は更新されていくんだと。いいとか悪いとかじゃなくて、そういうものなんだと。
暮らしの中の桜は、季節の移ろいとともにその土地(ところ)の移ろいをも感じさせてくれるのです。
とある会社敷地内の桜

===

INDEX

  1. 横目流し目 暮らしの中の
  2. 清水哲男のサンクチュアリ 餃子と煮込み 魚屋鮨しん
  3. Prof. 田川の揺れる音楽道「the power of laughter」
  4. しみてつコラム「君の友だち」
  5. 揺れて歩く人々の問い:今回はお休みします
  6. 清水哲男写真展・イベント開催のお知らせ
  7. ご購入のご案内

===

清水哲男のサンクチュアリ

餃子と煮込み 魚屋鮨しん@四条烏丸,京都市


大層な話ではないが、このサンクチュアリというコーナーのコンセプトは、おじさんおばさんが仕事帰りに気軽にちょこっと晩酌ができて、しかも安い店を紹介するというものだ。もちろん筆者が自分の足で通い飲み食いした経験をもとに書いている。となると勢い人しれず静かに佇むという雰囲気の店が多くなるのだが、ここしばらくはターミナルの喧騒の中にある店が多くなっている。コンセプトが変わったわけではなく、そういう店の中にもいい店があるということだ。
今回もそうだ。京都は四条烏丸というとびきりのロケーション。SUINA室町というおしゃれなビルの人気の本屋の奥の奥。大きな暖簾をかけた「餃子と煮込み 魚屋鮨しん」だ。暖簾を割って中に入ると左側が餃子屋のカウンター、右側がなんと寿司屋のカウンターが。本屋の奥の餃子屋というのも珍しいが、餃子屋と寿司屋の同居というのも……。しかもこの寿司屋、ちゃんと職人がいる。で、お値段は決して安いとは言えないが、職人が握る趣旨やとしてはリーゾナブルかも。がしかし、今回は寿司屋には目もくれずスッと餃子屋のカウンターに。
売りはその名の通り餃子と煮込み。餃子はニンニク有、無の焼き餃子や水餃子、変わり種まで、この日は7種類が用意されていた。少々小ぶりで薄皮タイプ。カリパリに焼き上げられていてけっこういける。当然お供は赤星、札幌ラガーだな。日本酒もけっこうな種類が用意されている。餃子が出てくる前にタレが登場。味噌ダレと酢醤油ダレ。酢醤油ダレにはコショウが少々ふられていた。
煮込みは白、黒の2種類がある。この日は残念ながら煮込みまで進めなかった。
でこの店、寿司屋のカウンターで餃子、煮込みが食べられるし、餃子のカウンターで寿司が食べられる。なんとなくフュージョンな風が吹いている。さすが京都か!?

餃子と煮込み 魚屋鮨しん 京都府京都市下京区四条室町東入る函谷鉾町78 SUINA室町 1F

===

Prof.田川の揺れる音楽道
the power of laughter


the power of laughter
No matter what adversity we face, no matter how sad and painful we are, we laugh. Laughter itself becomes the energy to live, and we live again.
笑う力
どんな逆境にあっても、どんなに悲しくて辛くても、人は笑う。笑うこと自体が生きるエネルギーとなり、人はまた生きていく。
この曲は4月12日スタートの清水哲男写真展「笑う力」の会場BGMとして会場全体を包みます。
===

しみてつコラム
君の友だち

卒業アルバムの陸上部。前列左が僕。ショウちゃんの姿はない

ショウちゃんとはこの3月、高校を卒業して50年目の同窓会で再会した。同じ陸上部のメンバーだったが、卒業後はただの1度も会ったことはなかったし、噂話を聞いたこともなかった。いや、これはショウちゃんに限ったことではなく、僕は大学に入学すると同時に暇があればリュックを担いであちこちを放浪するような生活に入ったから、友だちなどというものはほとんどいないと言っていい。その放浪は今も続いている。
ショウちゃんも似たようなものだ。どのような人生を歩いてきたのか、詳しい話は聞いていないし聞こうとも思わないが、彼曰く「一匹狼」みたいに生きてきたそうだ。「俺も友だちはおらへん」と。
同窓会の席でどちらからともなく声を掛け合いしばらく話した。細々とした内容は忘れたが、彼がこれまでに3回の癌を経験し生死の境を彷徨うにして生きてきたという話には強い印象を受けた。僕も同類で2回の癌を経験してきた。「似たようなもんやな」ということで、なんとなくまた会って話をしようということになった。僕が月の内1週間から10日は京都に帰っているという話をしたからだ。次に京都に帰ったら必ず連絡を取りあおうと。
4月に入ってすぐに京都に戻り、約束通りショウちゃんに連絡を取った。
近所の寿司屋で会おうということになった。ショウちゃんが言った。
「その時に誘える友だちがいたら誘っといでや」
「俺、友だちおらんしなあ……」と僕。
「お前もか……。ま、ええか」とショウちゃん。
おたがい無頼を気取ってきた者同士。誘える友だちなんて……。
だけど話しているうちに、なんとなくショウちゃんはすでに友だちみたいな感じだなと思った。僕も君の友だちになれただろうかと聞こうとしたがやめた。歳のせいだろうか、ほんの少し弱くなったみたいだな。
===

清水哲男写真展・イベント開催のお知らせ
清水哲男写真展「笑う力」
開催のご案内

写真は出展作「東福光治、魂の画家」

どんな逆境にあっても、どんなに悲しくて辛くても、人は笑う。
笑う力は生きるエネルギーとなり、人は人生という透明な軌道を走っていく。
昨年京都文化博物館別館 JARFO京・文博で開催した写真展「笑う力」に新しい作品も含めてご覧いただきます。
2024年4月12日(金)〜17日(水)
12:00〜18:00(最終日は16時まで)
清水は毎日在廊いたします
Space Mu
〒543-0042
大阪府大阪市天王寺区烏ケ辻2丁目2−16
06-6771-1168

清水哲男写真展「笑う力」会期内イベントとして
タカダワタリズム2024開催決定!


4月16日は高田渡さんのメモリアルデイだ。
その日にあわせて2013年に第1回を、それから2014年、2020年と渡さんのお骨のある鹿児島で、タカダワタリズムというタイトルで渡さん縁のミュージシャンを招きライブを続けてきた。
1回目に歌ってくれた中川五郎さんの言葉をかいつまんで紹介する。
ーー
2005年4月16日、高田渡さんの魂は天に帰った。だから渡さんはいたるところにいて、ぼくらが彼のことを想えば、そして彼の歌を歌えば、いつでもそこに来てくれる。
渡さんの命日に彼を想い、彼の歌を歌う集まりを毎年やろうという話が持ち上がった。もちろんただ渡さんを偲ぶだけでなく、彼の歌を、彼の生き方を未来にも伝えていこうという集まりだ。
そのタイトルに選ばれたのが「タカダワタリズム」という言葉。ワタリズムは、Wata-rhythmにしてWatar-ism。自分のリズムを大切にしながら人生を生き、自分のリズムで歌を歌い続け、自分の考え=イズムを持ち続けた高田渡という人を表す言葉だ。
4月16日、きっと渡さんはぼくらのそばにやって来て、あの独特のリズムで一緒に歌い、踊ってくれることだろう。
ーー
4回目となる今回は大阪に場所を移して、清水哲男写真展「笑う力」展示の中で、中川五郎さんと大塚まさじさんを迎えてみんなで渡さんを想いながら歌い踊りたい。
日時:2024年4月16日(火)
OPEN 17:00
START 17:30
出演
カオリンズ(OA)
中川五郎
大塚まさじ
charge:3500円(1ドリンク付)
会場:cafe gallery Space Mu
所在地: 〒543-0042 大阪府大阪市天王寺区烏ケ辻2丁目2−16
( JR桃谷駅から259m )
電話番号: 06-6771-1168
https://www.facebook.com/events/756612949328672/

● ● ●

★揺れて歩くニュースバックナンバーはこちらからどうぞ。
https://interearth.jp/archives/category/mail-magazine

★種子島写真集「ISLAND LIFE」「ISRAND SCENERY」好評発売中です!
種子島の風景と暮らしを、展示した作品の中から32点に絞って収録しました。清水哲男には珍しいオールカラーの作品集です。お買い求めは、清水哲男事務所のBOOK SHOPからどうぞ。ちょっぴりお買い得な2冊組も用意しました。
清水哲男事務所のBOOK SHOP https://shop.office432.jp/
清水哲男事務所近辺にお住いの方には手渡しも可能です。

★「揺れて歩く」ご購入のご案内
「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」は下記のネット通販をご利用ください。
清水哲男事務所のBookShopでは銀行振込、クレジットカード決済となります。エディション・エフのネット通販ではクレジットカード、各種キャリア決済、PayPalでのお支払いを選択していただけます。
エディション・エフのブックショップ
https://editionf.thebase.in/items/27544027
清水哲男事務所のBook Shop
https://shop.office432.jp/

【「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」概要】
頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)
最後までおつきあいありがとうございました。
本メールマガジンは原則毎月2回隔週にお届けいたします。
======
発行:揺れて歩くニュース編集室
発行者:清水哲男
Mail:info@office432.jp
揺れて歩く人々の対話テーブル
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/
【揺れて歩く&妄想ラジオ】第2、第4金曜日 20:00〜21:00
https://www.facebook.com/shimitetsu.nagayan.mousouRadio/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です