INDEX

  1. 横目流し目 隠れ蓑
  2. Prof. Tagawa の揺れる音楽道 #88
  3. 清水哲男のサンクチュアリ 魚屋に毛の生えたようなお店京都つりや
  4. 揺れて歩く人々の問い vol.100
  5. しみてつコラム 吐噶喇へ
  6. 清水哲男新刊書のご案内
  7. ご購入のご案内

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横目流し目 隠れ蓑


「日本人ファースト」というスローガンを掲げる政党があります。聞くたびにこの政党に参加したり支持したりする人たちは、ほんとうにこの国のことを知っているのかなあと思います。
鹿児島のような一次産業中心の土地に住んでると、農業、水産業、林業など外国人労働者なくして成り立たない「業」ばかりです。しかもきつい労働は外国人が担っていると言ってもいいでしょう。
たとえば枕崎の鰹節の生産現場は外国人労働者がいなければ絶対と言っていいほど成り立ちません。それを見てもわかるように、外国人労働者は私たちの暮らしの土台となる「食」や「住」に必要な資源を生み出す重要な役割を担っているのです。
「日本人ファースト」って「行き過ぎた外国人受け入れに反対し、日本は日本人で支える国を目指す」ってことらしいです。行き過ぎもクソもどの産業を取ってみても外国人労働者抜きにしては成り立たないでしょう。そういう現実を見ていないのでしょうねえ。いや、見たくないのかもしれません。さらに外国人は過度に優遇されているなどと。実際の労働の現場を見て、彼らの待遇を見て、決して優遇されているとは思いません。政治を志すのであれば、ちゃんと現場を見ないとね。イメージだけで喋っちゃあダメだね。
そのほか「日本人を守りぬく」とか「日本人を育む」とかいろんなこと言ってるけど、要は排外的で国粋主義的な太平洋戦争以前の国家観を復活させ押し付けようとしてるようにしか思えません。目指すは皇国史観に則った全体主義的国家か!? しまいに「Make Nippon Great Again!!」などと言い出すんじゃいかと思ってしまいます。
それを覆い隠すのに消費税の段階的廃止とか社会保険料の見直し、子ども1人あたり10万円の教育給付金支給とか耳触りのいい言葉を並べたり、人工知能AI、サブカルチャーを支援するとか今ウケする言葉を並べているように思います。隠れ蓑ですね。
強く訴えます。本質をきちっと見極めなければならない、と。
まあ、自民党もそんなに変わりませんが。ほら、京都選出のなんとかって参議院議員ね。自民党の中にはああいう人たくさんいるんでしょうねえ。
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Prof.Tagawaの揺れる音楽道 #88
Snow willow in summer


Snow willow in summer
the flowering season is over, emphasize the beauty of the green leaves, and convey the sense of vitality.
夏の雪柳
花の季節はとうに過ぎ青々とした葉だけが美しい。それは命の力を感じさせる。
Music by Fumihiko Tagawa
Video by Tetsuo Shimizu
Produced by OFFICE432
Copyright ©F.Tagawa, T.Shimizu & OFFICE432, 2025
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清水哲男のサンクチュアリ
魚屋に毛の生えたようなお店 京都つりや@三条食彩ろおじ, 京都市中京区

釣り好きが昂じて魚屋に毛の生えたようなお店を! 月・火の定休日には決まって釣りに出かける

三条堺町のイノダコーヒー本店。その向かいに「三条食彩ろおじ」はある。京都人は路地を「ろおじ」と発音する。小さな路地で、すべてが飲食店だ。一つひとつの店は小さい。「魚屋に毛の生えたようなお店京都つりや」は奥から3軒目だ。間口は1間半ほど奥行きは2間あるかどうか。2階もあるが、上がってはいないのでどのくらいの広さがありどういう構造になっているかはわからない。1階はカウンターだけで6席のみ。店名はやたら長いのに店は小体、小さい、可愛い……。そんな形容がぴったりなのだ。
だが、と思う。我々はこの小体な店で数時間を飲んで過ごすだけだが、かつては何某かの家族の暮らしの場、あるいは仕事の場であったはずだ。その慎ましやかな暮らしの風景を思い浮かべずにはいられない。そういう空気の中で美味い魚と酒を楽しめるのだ。京都の路地長屋ならではの楽しみ方だと言えなくはないな。
お通しのあら炊き

席数の少なさを考えると飛び込みというのは無理だろう。手間でも予約を入れておくべきだ。ということで、我々はその夜問題なくカウンターの2席を占めた。最初に出てきたのがあら炊きだ。注文した覚えはない。
「お通しです!」
カウンターの向こうで大将が笑った。聞けばこの店の売りは大将自身が釣ってきた魚だという。なるほど、店のあちこちにロッドや釣具が飾るように置かれている。海から直接届いた正真正銘の産地直送だ。それだけで美味く感じるというのは言い過ぎだろうか。それだけではない全国の港に上がった上質の魚が仕入れられている。
しめ鯖

好物の鯖をしめ鯖(880円)で注文した。出てきたしめ鯖を見て驚いた。ほとんど生の刺身だ。どうだろう1分ほど酢をくぐらせただけではないだろうか。海の側ならまだしも京都でもこんなに新鮮な鯖が楽しめるのだ。これも大将流産地直送のおかげかもしれない。
さらに海鮮ユッケ(680円)、キスの天ぷら(780円)、枝豆ととうもろこしのかき揚げ(480円)、名古屋コーチン白肝たれ焼き(680円)と進んだ。当然酒も進むわけである。酒に合う日本酒が取り揃えられている。魚好きにも酒好きにもうれしい限りだろう。それだけではない。魚以外に鶏、豚、牛さまざまなメニューが揃っている。
海鮮ユッケ

キスの天ぷら

枝豆ととうもろこしのかき揚げ

名古屋コーチン白肝たれ焼き

そして〆だ。ここは釜飯がいいと聞いた。我々はホタテの釜飯を注文。こいつは炊き上がるまで少々時間がかかるので、〆にかかる頃合いを見計らって注文するのがいいだろう。炊き上がりの写真を見ていただきたい。この湯気だけでも美味そうだろう? たしかに美味いんだこれが。これで830円はリーズナブルと言うには安すぎるだろう。
釜めし(ホタテ飯)

おこげも美味い

身体中を満足にして店を出た。小さな路地のはずが妙に広く感じられた。それも美味い肴と料理に出会えたからだろう。幸せな気分とゆとりがその空間を広く思わせてくれたのだ。かつてここで暮らした人たちはどうだったのだろう。
「住めば都」という言葉には条件がある。「そこで幸せならば」だ。この狭いろおじは幸せになるには十分な場所だ。事実僕が幸せになったのだから。

魚屋に毛の生えたようなお店 京都つりや@三条食彩ろおじ, 京都市中京区
京都市中京区道祐町135-1 三条食彩ろおじ
定休日 月・火
価格は店舗にてご確認ください

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揺れて歩く人々の問い vol.100
①最近目が点になったことありますか?
②この問いかけ、100回で終了していいですか?

今回は記念すべき100回目の問いかけですので、豪華2本立てて!どうぞお気軽に!
清水が最近目が点になったことと言えば、京都の街角の風景がまるで外国のそれになっていることです。なんだか日本人よりも外国人の方が多いようで……。顔馴染みのラーメン屋も昼時は清水以外ほぼ外国人でしたあ。
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松園功さん
似たような経験ですが、豪華客船のツアーで14名のお客様を案内しました。何となく日本人でなさそうな方々でした、ガイドの反応もいつもと少し違うかんじが、徐々にあれ?となり、最後に聞けば半数が台湾人のグループで、その内日本語が分かる方は2名。
でも、一番反応が良く興味深く聞いていた話しは、種子島の「方言」です。「おうきんなぁ」「ほなく」「びいびんこ」「のっちよ」の4つ。
未だに不思議、何か受けたのか食い付きも良く笑い声が上がりました。
その意外な反応に目が点でした。
発音に中国語に似たのがあったのかな?絶対に意味は通じてないはずです。
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Masako Fujiiさん
先日熱中症になり、足の攣り、頭痛、寒気、吐気のフルコースを経験しました。
その中でも一番目が点になったのは体温39.4°C。
汗がかけなくなってしまっていて体温調節出来ないせいで身体が沸騰したような感覚でした。
皆さんも暑い外だけでなく、室内でも熱中症にはなりますので気をつけてくださいませ。
問いかけの存続については、気軽に書き込め参加しやすいので皆さんの声が聞けるようで楽しいしぜひこれからも。
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コメントいただいた皆さん。ありがとうございました。コメントは以下のページからもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/posts/3256945081121415
さて101回からどうするか……。引き続き読者の皆さんへの問いかけは続けたいと思います。〈揺れて歩くニュース〉ではこのコーナーが唯一皆さんに気軽に参加していただける場ですので大切にしたいと思います。ただし回を数えるのはやめます。こちらも気軽に続けたいので。では次の問いは次回ライブ配信時にお知らせします。〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉でお気軽にコメントくださいね!
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しみてつコラム
吐噶喇へ


今から24年前、2001年に鹿児島の再海社から『吐噶喇へ』という本を出した。
トカラ列島の有人7島をじっくり時間をかけて訪ね、島の暮らしの中に入りルポするという内容だった。鹿児島に移って初めて鹿児島の出版社から出してもらった本だった。僕が南西の島々を歩くきっかけになった思い入れのある大切な作品なのだ。取材の時期からすると30年近く歳月が流れた。
出版当初こそ「吐噶喇」という地名の珍しさもあってかそれなりに売れたが、すぐに動きは止まった。なにせ僕の本で、しかもトカラ列島などと知名度の低い土地を訪ねるというまったく地味な内容なのだ。最初から飛ぶように売れるなどとは思ってもいなかった。しかし写真展やイベントの時に、僻地に興味があったり旅が好きだったりという人に買ってもらえるという感じで、細々としかし確実に売れ続けてきた。
それがここしばらく事務所のネットショップで動き続けている。おそらく地震報道のせいだろう。トカラ列島ってどんなところなのだ、どんな人たちがどんな暮らしをしているのだろう。そんな興味が掻き立てられているに違いない。とりわけ最も激しく揺れている悪石島はその名前でも興味をそそっているようだ。「小説などに登場しそうな『悪霊島』『獄門島』などよりはるかに恐ろしい」と僕にたずねてきた人がいた。「いったいどんな島でどんな人たちが暮らしているのか? 名前の由来は?」と。ぜひ拙著『吐噶喇へ』を読んでくださいと答えたことはいうまでもない。
これも地震報道のおかげかもしれない。しかし、だ。本が売れるというのはありがたいがちょっと複雑だ。
報道を見るたびに、取材をさせてもらった島の人々の顔が思い浮かぶ。よそ者の僕を快く受け入れてくれて、旧くからの島の一員であるかのように接してくれた。純朴で優しい人たちだった。どうしてるかなあ。大丈夫かなあ。一人ひとりの顔を思い浮かべる。鹿児島本土はまったく影響はないけど他人事ではない。1日も早く地震活動が収束するように、これ以上被害が出ないように、くれぐれも安全に過ごしてもらいたい、そんなことを思う。
自然災害の記録はとても大切だ。防災のためにも被害を最小限に食い止めるためにも、今回の地震のこともきちんと記録しておかなければならない。しかし被害に遭った、恐怖を体験した人たちの個々の思いもちゃんと記録して記憶に留めておかなければならないと思う。ふたたびトカラ列島へ行かなければならないと思っている。
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『時間の隨』ご購入はこちらから

著者が本著の中で目指したのは流れ行く時間の可視化です。身の回りの何気ない風景、漂う空気、そして人々との出会いを縁に時間を紡いでいきます。
今回は完全私家版としての上梓です。大手書店、Amazonなどでの取り扱いはありません。購入ご希望の方は下記URLからどうぞ。
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★清水哲男YouTubeチャンネル
The Dancer of Passion
荒木菫(あらきすみれ)
命の時間と向き合い、決して諦めることなく踊り続ける。
Another Moonlight@SPACE Mu, 2025.06.22

それでも人生は続く。
生きることが前衛。
踊ることがレジスタンス。
人生に完結はあるのか?
僕らはそれぞれの到達点をざまざまな想いを込めて踏みしめているだけかもしれない。
でも、何かに挑み続けるというのはそういうことなんだと思う。そうして、完結するよりも挑み続けていられることに満足するのだ。
そこに生きる意味があるのではないか。
僕はそう思う。
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★「揺れて歩く」ご購入のご案内
「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」は下記のネット通販をご利用ください。
清水哲男事務所のBookShopでは銀行振込、クレジットカード決済となります。
清水哲男事務所のBook Shop
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【「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」概要】
頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)

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最後までおつきあいありがとうございました。
本メールマガジンは原則毎月2回隔週にお届けいたします。
次号は7月25日(金曜日)配信予定です。
発行:揺れて歩くニュース編集室
発行者:清水哲男
Mail:info@office432.jp
揺れて歩く人々の対話テーブル
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【揺れて歩く&妄想ラジオ】第2、第4金曜日 20:00〜21:00
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