サンクチュアリィ 西成一番本店@動物園前一番街商店街(大阪市)

2011年3月11日。僕は前々日からの徹夜明けで、事務所のソファで眠るでもなくぐったりしていた。たしか金曜日だったな。忙しい1週間を過ごし、ようやくの週末。今夜はどこで一杯やろうかなどというくだらないことを思い浮かべていたと思う。
午後2時30分頃、スタッフから声がかかった。
「そこでノビてられたら困るんですけど……」
「ごめん。起きるわ……」
身体を起こしたが、しばらく動けずにいた。見上げた壁の時計は14:46を表示していた。
突然携帯がけたたましい警報音を上げはじめた。緊急地震速報だ。飛び上がってデスクの下に潜り込んだ。が、揺れは感じなかった。なんだ誤報かと思いながら這い出すと、スタッフが叫ぶように言った。東北がえらいことになってます!と。
そのあとのことは誰もが知る通りだ。
10年が経った。あの日以来、何が変わって、何が変わらなかったのか。
そのことをもう一度よく考えてみなければと思う。政治や経済のためにではなく、未来のために。
自分自身のために。愛する人々のために。そして他の誰かのために。みんなのために。

INDEX

  1. 今、私にできる、生き方
  2. 揺れて歩く人々の問い Vol.15
  3. しみてつコラム「お前らしいな」
  4. ご購入のご案内

※「ゆらゆら劇場」はお休みします

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今、私にできる、生き方 門間ゆきの

昨年訪れた宮城県名取市閖上。6.3mの日和山は山頂を2.1m越える津波に飲み込まれた。

早朝、電話をかけてきた妹が言いました。「感慨深いねえ。10年前の今日、お姉ちゃんは仙台に出発したんだねえ」。

2011年3月11日の朝、高校3年生だった私は東北大学の後期試験を受験するために1人、名古屋駅から新幹線で仙台に向かいました。翌日の試験に備えて会場を下見して、午後2時46分は仙台駅の近くを歩いていました。地球の中心からプレート全体が揺れているような、震度6強の大きな揺れでした。

「10年前の今日、朝ご飯は何を食べて出発したんだろうねえ」。眠起きの頭で妹と話しながら、私はふと思いました。東日本大震災から今まで、被災地の人たちのことは何度も考えたけれど、”娘が被災地にいる”状況で家族が過ごした数日間のことを考えたことはありませんでした。テレビや新聞で連日被災地の様子を知る母親や妹にとって、「何もできない」「祈ることしかできない」というのはどれほど不安でやきもきしたことだったろうと思います。

自分で何かできる、誰かのために動ける、というのはどれほどありがたいことでしょう。
コロナ禍のこの一年も、遠くにいる大切な人に対して直接には何もできないもどかしさを感じた人は多くいると思います。

人生いろいろあるけれど、生きることを選び、こう生きると選んで生きている私。
生きることも、どう生きるかも選べなかった・選べない多くの人々がいるならば、
私にできることを、できる範囲で、一生懸命やって生きよう。そう思った2021年3月11日の朝でした。

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揺れて歩く人々の問い Vol.15

テーマ:あなたが、いま、がまんしていることはなんですか?

自粛自粛の日々が続いています。緊急事態宣言が解除されても、まだまだ規制や自粛の日々が続きそうです。
そこであなたにおたずねします。
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Q.あなたが、いま、がまんしていることはなんですか?
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たくさんのコメントをいただきました。
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埼玉にある実家への帰省です。娘を両親に会わせたいのですが…(鹿児島市H.Hさん)
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旅と居酒屋 ですね。(鹿児島市R.Sさん)
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最近考えるのは「寂しさも引き受けよう」ってこと。寂しさを我慢して耐えようと思っています。寂しさを我慢して耐えることで、その先にある幸せと繋がっていると信じてるから、それは辛い気持ちではなくて。(鹿児島市S.Nさん)
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四軒はしごがゼロになり今は一軒だけ(京都市M.Fさん)
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あまり時間の余裕がなくて、遊べないこと(旅行、ゲームや映画)かな。(N.Nさん)

詳しくはこちらからどうぞ。
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/permalink/1982557835226819/
たくさんのコメントありがとうございました。

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しみてつコラム「お前らしいな」

人生は揺れて走るバス

今年の正月早々同い年の友人とメッセージのやり取りをした。
彼が書いてよこした。
〈2年前に定年を迎え、それ以来は悠々自適。時々旅行に出かけ、時々孫たちに囲まれ、ゆっくり歳をとっている〉と。
〈お前はどうだ?〉
〈僕は〉と書いて手が止まった。
僕は、次々にやりたいことが出てきて、どれもこれもやろうとして、悠々なんて言ってられないんだ。このコロナ禍の下でもだ。
〈いろいろやりたいことが多いからなあ……〉と送ると、
〈あと何年生きられると思ってるんだw〉と返ってきた。
〈だよね。大病も患ったしな。生死の境を彷徨うような。でもね、だから、じっとしてられないんだよ、僕は。〉
バタバタしっぱなしの人生ってのも面白いかもよ。自分が死んだことにも気づかないくらい突っ走るのも。僕はそんなことを思っていた。
だいたい、悠々自適って年寄り臭いじゃないかと送ろうとしたが、やめた。
代りに〈まあ、当分はこのままだな〉と自嘲を込めて送ると、
〈ははは、お前らしいな。止まったら死ぬぞw〉と返ってきた。
〈お前だって、お前らしいじゃないか。その悠々自適ってやつ。ゆっくり死ぬって感じだな〉
冗談交じりにそう書いて送ったが、返事はなかった。
それから2カ月余り。今日、彼が亡くなったと知らせが届いた。

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頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
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