INDEX
- 横目流し目 木を見て塔を見ず!?
- Prof. 田川の揺れる音楽道 #74
- 清水哲男のサンクチュアリ 馳どりや 東寺店
- 揺れて歩く人々の問い vol.87
- しみてつコラム「第2次プチグリーンライフ」
- ご購入のご案内
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横目流し目 木を見て塔を見ず!?
京都は教王護国寺、東寺さんの「紅葉ライトアップと金堂・講堂夜間特別拝観」に行ってきました。西大路九条という歩いて15分ほどのところに実家のある僕にとっては、とても親しみ深い場所で、幼い頃から東寺さんは恰好の遊び場でした。だから改めて紅葉を見に行く、ライトアップを見に行くというような場所ではありませんでした。ライトアップなら五重塔は年中しているし、塀の外からはタダで見られます。だから1000円も払って……。でもね招待券をもらったんです。だから行ってみようかなと。
行ってびっくり。僕らは開門前についたのですが、すでに入り口の東門から九条通まで長蛇の列ができていました。こんなに人気のあるお寺だったのだ。そら世界遺産やもんな……。などと東寺さんへの認識を新たにしました。で並ぶのも面倒なので、人が少なくなる時間帯まで近くの居酒屋で時間を潰そうかと、そんなことになりました。
1時間少々時間を潰して(飲んで)戻ると行列は消え、待ち時間なしで中に入ることができました。で、またまたびっくり。消えた行列はすべて吸い込まれているわけですから、境内は怒涛の人混みでした。そのほぼすべての人がカメラなりスマホなりを振り回して鮮やかに色づいた紅葉をとっています。寺院の境内というより、映えるインスタスポットと言った方が良さそうな感じです。宝蔵を囲む堀や五重塔前の池は水面に映り込む紅葉を撮ろうと何重にも人が取り巻いています。みんな紅葉を見にきているのですね。紅葉ライトアップをうたっているわけですから当然と言えば当然ですが。僕も池のほとりで何枚かシャッターを切りました。
人混みを抜けて五重塔の真下に。またまたまたびっくり。そこには僕ら以外誰もいませんでした。ライトアップされて厳かな佇まいを見せる五重塔ですよ。木造の建物としては日本一背の高い五重塔ですよ。4度焼失し5代目を数える五重塔ですよ。新幹線の南窓から見える京都のランドマーク国宝五重塔ですよ。なのにぜ〜んぶ紅葉に持ってかれちゃって、なんとなくさみしいなという感じでした。僕がではなく五重塔がね。
木を見て森を見ず。いや木を見て塔を見ず、というところか。見るべきものは何か……。そんなことを物見遊山の人々に期待しても無駄なのか。いや、自分が映えることを目指す人々か。
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Prof.田川の揺れる音楽道 #74
Daydream lullaby
https://www.youtube.com/watch?v=RC6jzIQrQ70
Daydream lullaby
Was it merely a dream, I ask myself?
Fragments of memories flicker and fade, then flicker once more.
As I stretch out my hand to seize them,
Only a ghostly remnant lingers.
白昼夢の子守唄
あれは夢だったのだろうか
さまざまな出来事が浮かんでは消えまた浮かぶ
何かをつかもうとして手をのばしても
そこには残像が浮かぶだけ
音楽:田川文彦
写真:清水哲男
制作著作:office432
©️office432&F.Tagawa, T.Shimizu 2024
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清水哲男のサンクチュアリ
馳どりや 東寺店@近鉄当時駅前,京都市南区
久しぶりに目指した店が休みだった。そこを目指した勢いが僕らを居酒屋難民にしてしまう。さてどうしたものか真っ暗な店の前で呆然と立ち尽くす。気分の切り替えが速いのも居酒屋難民の特徴だ。今まで何度こんなことを繰り返してきたか。立ち直りは速いのだ。周辺を歩き回りこれはという店に当たりをつける。そしてその夜選んだのは暖簾はないが店内が丸見えの〈馳どりや 東寺店〉だった。隣にもう1軒気になる店があったが、そちらには客は入っていなかったが馳どりや東寺店はほぼ満席。カウンターに若干の隙間を見つけ滑り込んだ。
店内に入って人気の理由がわかった。料理では本日のおすすめ、ドリンクではレアな日本酒を除き、定番のものはすべて350円(税込)なのだ。しかも立ち飲みなどでよくある小皿料理ではなく、ちゃんと一人前の量が出てくるのだ。さらに味も悪くない。偶然とはいえこの店に飛び込んでよかったなと思った。
350円のビールを飲み、350円の焼酎(晴耕雨読)をロックで飲る。キャベツ(おかわり可)、肝の炙り焼き、宮崎日向地鶏タタキ、大根と水菜のバリバリサラダ、昭和の赤ウインナー串、鶏ささみのユッケ風、鉄板もちもちバター焼き、とり唐マウンテンなど、怒涛の勢いで注文し、飲み、食べた。そのボリュームは写真をご覧いただくとわかってもらえるだろう。いやあすごい。
ただ忙しいから無理はないと思うが、店員女子の愛想が少々悪い、かな。でもそんなことも帳消しになるくらいのいい気分で店を後にした。
馳どりや 東寺店
京都府京都市南区西九条西蔵王町1-2
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揺れて歩く人々の問い vol.87
今年中に片付けておきたいことはありますか?
1年なんてアッという間。気がつけばもう師走目前。振り返っているまもなく時間は過ぎていきます。毎年のことですが、新しい年はこんなことやあんなことをやりたいなと思いますが、年末には結局何もできなかったなと後悔・反省・懺悔の山です。それでもまだ1カ月あります。これからでも遅くはありません。できることやってしまいましょう。そこであなたにおたずねです。今年中に片付けておきたいことはありますか?(問いかけ発信は11月21日でした)
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F.Tさん
今年中に自宅のモノを、イメージ的にはあと半分にしたいです。
もう処分するモノが無いのも現実なのですが……。
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M.Fさん
F.Tさんとは逆で、私は片付けられない女なので今年中とかって問題でなく、半分どころか20分の1くらいにしないといけません…
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今回コメントを寄せていただいた方、ありがとうございます。詳しくはこちらをどうぞ。
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/posts/3069108893238369
次回88回目の問いかけは、「今年のベストバイ教えてください」です。今年買ったモノの中でこれはよかったというモノ、人にすすめたいモノ・コト、なんでもいいです。〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉でのご回答よろしくお願いします。
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しみてつコラム
「第2次プチグリーンライフ」
「『プチグリーンライフ』はもうやめちゃったの?」
友人からメールが届いた。このニュースで僕のプチグリーンライフに関わるコラムを若い書き手が書いてくれていて、それがぷっつり途絶えたからだ。それは書き手の都合であって、僕のプチグリーンライフは続いている。
だが中身が少々変わったかな。最初は仕事場に主に多肉系の植物を持ち込んで世話を焼いていた。といっても、知り合いのフラワーショップに頼んで手間のかからない、半ば放ったらかしでも育てられるようなものばかりを選んでいた。「放ったらかしでも育つ」だなんて、今振り返るとなんと乱暴な話だと思う。「放ったらかしなんて無理に決まってるじゃないか!?」などと人には言われていた。「枯らしちゃうよ」と。でも言い訳しておくと「放ったらかし」は僕のズボラのせいではない。これでも忙しくて月の内多くて2週間、少なくても1週間は出張に出かける。その間「放ったらかし」にせざるを得ないのだ。そんなことを人に頼めるわけもないので……。
案の定〈第1次プチグリーンライフ〉の多肉系植物はほぼ枯れてしまった。残ったのは唯一小さなサボテンだけだった。そいつはほぼ放ったらかしだったのに、健気にも生き続けてくれた。そうだ!サボテンならいけるんじゃないか! そこで僕は〈第2次プチグリーンライフ〉を思い立ったのだ。
その前に気軽に相談できるボタニカルショップをつくろうということで、あちこち見て回った。で、京都新風館にある(THISIS)SHIZENというお店がとてもおしゃれでカッコよくて、おねえさんも親切なのでそこに決めた。京都にいて暇な時間ができるとそこでいろんな植物を見て、話を聞いて過ごしている。そして時々お気に入りの植物を見つけて買って帰るんだ。
こないだ訪ねた時ユーフォルビア・ホリダって名前のちょっとゴツゴツトゲトゲしてるけど可愛いのを見つけて買うことにした。サボテンだからな。放っておけるからな。僕でも大丈夫だな、と。で、レジに持って行くといつものおねえさんが「ユーフォルビア・ホリダってサボテンじゃなくて多肉植物ですけどいいですか?」と聞いてくれた。そこで「ああ、じゃあやめときます」と言える僕ではない。「たまには多肉植物もいいかなって」と笑って支払いを済ませた。素直に「知りませんでした」と言えばいいものを……。後悔をしながらレジに背中を向けた。すると後ろから、
「そんなに難しくないですよ。冬の間は月に1度くらい土を軽く湿らすくらいでいいですよ。わからないことがあればなんでも聞いてください。大切にしてやってくださいね」
と声をかけてくれた。そうだな、小さいけど命だからな。自分の都合だけで「放ったらかし」だなんて。放ったらかしにしていい命なんてあるわけないよ。僕は自分の浅はかさを自嘲しながら店を後にした。
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頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)
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