1月1日能登半島を巨大な地震が襲いました。多数の命が奪われ、怪我を負わされ、家々が倒壊し、暮らしの場所を奪われ、道路が崩壊し孤立し……。とんでもない被害がもたらされたようですが、その全容は未だ把握されていないと言います。被災された方はもちろんですが、多くの人々の心が大きく傷ついた12日間だったと思います。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、行方のわからない皆さんが無事でありますようにと心から願っています。また、被災された皆さんが1日も早く元の暮らしに戻れるよう、僕自身何をなすべきか考えて行動したいと思っていますーーー清水哲男
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INDEX

  1. 横目流し目「よくても悪くても」
  2. 清水哲男のサンクチュアリ 焼肉屋ロマンポップ
  3. Prof. 田川の揺れる音楽道「海の象 Shape of the sea」
  4. 揺れて歩く人々の問い vol.72
  5. しみてつコラム「物産展と言われても」
  6. 清水哲男写真展「海の象」開催のお知らせ
  7. ご購入のご案内

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横目流し目「よくても悪くても」


母方の実家の墓仕舞いをしました。
最後に葬られたのは母の実母、僕の祖母。それから50年以上が経ちました。母は4人姉妹で、それぞれが嫁ぎこれから先その墓に入る人はいません。4人姉妹もすでに3人が他界し、残された1人も90歳を過ぎる高齢で、墓守も大変だし、30年を過ぎるともういいかなと、姉妹の子どもたちが相談を重ねて墓を仕舞うことにしたのです。極寒の京都、東山の中腹にある墓所に集まり最後のお参りをすませました。なんだかひとつの時代が静かに終わったような気がして少しさみしいなと思いました。
小さい頃よく一緒に遊んだいとこたちですが、成長するにつれて疎遠になっていました。それがそれぞれの親たちが亡くなりおたがいの葬式を行き来することで、また親しく付き合うようになったのです。お参りをすませた後、お茶を飲みながら親たちや自分たちが子どもの頃の思い出を語り合い、それが母親一家のルーツ、今で言うとファミリーヒストリーに及びました。
僕らの曾祖父さんは島根藩士で医者だったが明治維新後一族で大阪に出たそうだ。お祖父さんは阪大を卒業して大学院を修了後土木エンジニアとして大手建設会社に就職し、お祖母さんと出会い結婚した。長女、次女が生まれた頃ロンドンに留学した。帰国後京都に移り住んで三女、四女が生まれた…….。太平洋戦争を挟んで、4人姉妹は次々に嫁ぎ僕らの世代が生まれたのです。知らなかった母の若い頃の姿がジグソーパズルを埋めていくように浮かび上がってきました。
僕はお墓の存在など深く考えるような人間ではないし、信心とか信仰とかとは対極にいるような人間ですが、それぞれ独立していった家族、親族がその前に集まり、こういう話をするきっかけになるんだなと思いました。その一方で、僕がいなくなったら僕の思い出話をするような人が誰かいるだろうかと考え込んでしまいました。
だけどそれも自分の人生。まあいいじゃないか!と思った時、どこかで父が笑ったように思いました。
「よくても悪くてもだれかの思い出には残るわな。お前は俺の悪口を散々言うてるやろ。それも思い出やがな」と。
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清水哲男のサンクチュアリ

焼肉屋ロマンポップ@三条会商店街, 京都市中京区

ロマンポップ。かつてこんな名前の焼肉屋が存在しただろうか……。名前通りとてもポップな雰囲気なのだ。ガラス張りの大きな引き戸を開けて店内に入ると、焼肉屋にありがちな何もかもが脂ぎった世界とはまるで違う。小体だが隅々まで掃除・手入れが行き届いた店内は気持ちがいい。1階はカウンターが7席、 2階は6席テーブル2卓、4階はなんと掘りごたつが2卓あるという。
僕の場合、焼肉屋は居酒屋ジャンルに組み込まれるので、当然のように1階のカウンター席に着く。しかも昼間に。ここで外の往来を眺めながら大将とおしゃべりをし、ゆっくり飲む酒がたまらなくうまい。大将はなかなかの文人で、本の話や映画、音楽の話など、話題は広くて深い。あてはてっちゃん、ツラミ、ハラミあたりで。ああ、それにキムチがあれば十分だ。
もみだれ、京都ならではのあらいだれ、にんにくを一切使わない特製ヤンニン(ロマンポップではヤンニョンとは言わない)、滋賀県のコシヒカリをじっくり土鍋で炊いたご飯とこだわりは多いが、何と言ってもカウンター備え付けのロースターの鉄板は、滋賀県の鉄板工房でつくった特注だという。 厚さが6mmあり、じんわりと肉が焼きあがる。
女性のひとり客も入りやすいし、買い物途中のおじさんおばさんも多い。そして中には僕のような酔客も。食事をするにもよし、酒を飲むにもよし、京都に行けば必ずのぞきたい1軒だ。
https://www.romanpop.info/
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Prof. 田川文彦の揺れる音楽道

海の象 Shape of the sea

 

海は自然と命の場であり、命の糧である。全てが溶け合っていく、融合していく場である。さらには自然と文明がせめぎ合う場でもある。海の恵み、憩い、仕事、さらに海そのものは、人間のためだけではなく、すべての命のためにある。なのに文明という名の下、人間は海をもコントロール下に置こうとしている。そんなことは可能なのだろうか……。
Shape of the sea
The sea is a natural and vital environment, serving as the source of life. It is a place where everything blends and merges, a space of fusion. Furthermore, it is a battleground where nature and civilization collide. The blessings of the sea, relaxation, employment, and even the sea itself exist not only for the sake of humanity but for all forms of life. Yet, under the guise of civilization, humans are attempting to exert control over the sea. Is such a thing truly possible?
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揺れて歩く人々の問い vol.72

あなたが主催のパーティ、さていくらまでならパー券売れると思いますか?


あなたが主催のパーティ、さていくらまでならパー券売れると思いますか?
自民党のパー券裏金疑惑、議員の逮捕者まで出てすでに疑獄事件の様相を呈してきていますが、一般庶民のこちとらにとっては、なんだか、クラファンで大勢の方から支援をいただきプランを実現するなどということが、本当に虚しくなりますね。ええいっ、この際パーティーだ! パー券売って金集めするぞ!というそこのあなた、あなたが主催のパーティを開催するとして、さていくらまでならパー券が売れると思いますか? さらにどんなパーティーにしようと思いますか?
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F.Tさん
いつも自分で企画するライブが似たようなものかな?
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M.Fさん
3000円なら100人。10000円なら30人。30万程度のちっちゃい人間です
カラはちっちゃくはないけどね。
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M.Yさん
自分が主催のパー券は千円が限界です。焼酎三杯と乾き物やモツ煮を一品提供する言わばセンベロパーティとなります。ちなみに独身熟女には500円のキックバック券を山田との直接乾杯後にお渡しします。キックバック券を二枚集めると千円分のパー券と交換出来るという誰も損しないパーティです。
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M.Tさん
清水さんと他5名の男性がこれまで振られた女性全員に集まってもらう。どうして振ったか、こまかく、言いづらいところも語ってもらう。その後、それを本にして、『だから男は振られる、そして理由がわからない』という書名で出版する。女性たちには1人幾らと報酬を約束しておく。余ったお金は、男性が居酒屋で愚痴をこぼすために使う。どうでしょう⁈
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詳しくは
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/posts/2793735487442379/
をどうぞ。
次回〈揺れて歩く人々の問い vol.73〉は、
「今年はどんな年になると思いますか」です。FBグループ「揺れて歩く人々の対話テーブル」にアップしますので、そちらにコメント書き込みをお願いします。
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しみてつコラム

物産展と言われても


京都での写真展〈海の象 Shape of the sea〉が5日にはじまった。
会場の入り口にこんなパネルをかけた。

海。静かな波が広がり。青い水面に映る空。無限の青さ。神秘的な生命の宝庫。
嵐が訪れるとき、雷鳴と共に、波は高く立ち上がる。
夜、海は星座で飾られる。地球が宇宙の一部であることを見せてくれる。
永遠の謎と美しさに満ちている。
だが海は暮らしの場であり、労働の場でもある。
文化を伝え、文明を育てる道であり外敵を阻む壁でもある。
時には恩恵をもたらす母性に喩えられ、時には命をも奪い去る非情な自然とされる。
海はさまざまな顔を持ち、さまざまな意味を持つ。
だが、まず意味を離れた目で風景をご覧いただきたい。
そうして見た人の心のスクリーンにその人の海の象が浮かび上がればと思う。

50年ほど前、日本列島の輪郭をなぞるように海岸を歩いて旅した。いわゆるカニ族というやつだ。この国のかたち、人々の暮らし、自然の風景などあらゆるモノ・コト・ヒトを自分の目で確かめるように歩いた。その旅の途上で「海」に対するひとつの見方というか、そういう視点みたいなものが自分の中にできたように思う。
海は自然と命の場であり、命の糧でもある。すべてが溶け合っていく、融合していく場と言ってもいいかもしれない。もうひとつは自然と文明がせめぎ合う場だ。海の恵み、憩い、仕事、さらに海そのものは、すべての人だけではなく、すべての命のためにある。
なのに文明という名の下、人間は海をもコントロール下に置こうとしている。そんなことは可能なのだろうか……。そんな疑問も持つようになった。みんなはどう思うだろうか。長年この目で見てきた海の姿、それを象徴するものを含めて「海の象」として見てもらい、その上で「海」のことを少し思ってもらいたいと考えたのだ。
改めて言うまでもなく僕の写真はアートではない。「海」をテーマにしているとしても、そこにあるのは海の風景だけではない。様々な取材の中で触れてきた海で働く人の姿、海から得られた生産物などもある。そして当然のように黒糖、種子鋏、鰹節なの現物も並ぶ。それを指して「物産展」と言う人もいるが、なんと言われようとそれが僕にとっての「海の象」、海を象徴するそのものなのだ。
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清水哲男写真展 海の象 Shape of the sea

開催のお知らせ

於:京町家えほん館むむむ
(二条駅から徒歩7分)2階ギャラリー
時:2024年1月5日(金)〜22日(月)
休館日火曜日・水曜日
OPEN 10:00〜18:00 入場無料
1月5日は12:00開場
金曜日は17:00まで
最終日は17:00終了
〒604-8375 京都市中京区西ノ京池ノ内町23-5
TEL:075-366-6169
詳しくは以下のURLからどうぞ。
https://fb.me/e/40g1KBcFr

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「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」概要
頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)
最後までおつきあいありがとうございました。
本メールマガジンは原則毎月2回隔週にお届けいたします。
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