親しい人から「禍中見舞」なるものが届きました。と言っても、郵送されてきたのではなく、家の駐車場に停めていた車のワイパーに挟んであったのです。なんだ、家の前まで来ておきながら、一声だけでもかけてくれたらよかったのにと思いましたが、そこは「禍中」という言葉ですべてが飲み込めました。多分どこかの行き帰りのついでに寄ってくれたようです。でも面と向かって言葉を交わすのが憚られるのでしょうね。彼なりに気を使い、ご機嫌をうかがってくれたのです。手帳を取り出してメモを走り書きする姿が思い浮かびました。その気持ちがとてもうれしかったし、そこまで気をつかわなければならないこの状況がほんとうに恨めしく思えました。いつまでこんなことが続くのでしょう。こんな状況から1日でも早く抜け出したいと思いますが。抜け出せるのだろうかという不安も日増しに大きくなっていくようで、なんだかどうしようもない気分になってしまいます。すべてが先の楽しみと思えばいいのでしょうが、もう我慢も限界だし、個人でできることにも限度があると思っている人も少なくないはずです。道でばったり出会った酒場の大将が笑いながら言いました。「頑張ることを自粛したい!」と。冗談だとは思いましたが、素直に笑うことができず、「店の再開を楽しみにしてるよ」と言うのが精一杯でした。昔から「頑張ろう!」という言葉は好きではありませんでしたが、ますます嫌いになったこの夏です。「自粛」と「頑張る」。この2つの言葉がとてつもなく人を苦しめているように思えてなりません。
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揺れて歩く人々の問い Vol.26
テーマ:もし戻れるとしたら、あなたは何歳に戻りたいですか? それはなぜでしょう?
後悔と反省ばかりの人生で、私の人生こんなはずじゃなかったと嘆いているあなた。あんなに楽しい日々はなかったと懐かしんでいるあなた。はたまた、もっと違う人生を歩んでみたかったと思っているあなたにお聞きします。
「もし戻れるとしたら、あなたは何歳に戻りたいですか? それはなぜでしょう?」
今のままで十分満足という方も、コメントをお願いいたします。
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今回もいろんなコメントをいただきました。
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僕は何回でもやり直せるなら色々試してみたいですが、途中で飽きて同じ事になりそうな気もします。(鹿児島市H.Mさん)
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もう1回やるのが面倒なので、戻りたくありません。(鹿児島市Tカツさん)
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今、このコロナ禍でも猛烈に勉強している大学生の娘を見ていたら
高校生位まで戻ってやり直せたら
違う人生が送れたかも…と思いますが・・・(京都市Mさん)
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今でいい。一回だからいい。(F.Tさん)
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詳しくはこちらからどうぞ。https://www.facebook.com/photo?fbid=2069070279898870&set=gm.2124741274341807
コメントもぜひお寄せください。
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しみてつコラム「気になる看板」
国道58号を西之表市から中種子町に入ったところに立っている公営施設の看板。今時手描きのパワーは強烈だ。
これは何年か前に通りがかった時の写真だが、「あみん」だそうだ。「あみん」と言えば岡村孝子と加藤晴子のふたりのだが、全く似ていない。しかも、岡村孝子はちゃんと書かれているが……。ツッコミどころ満載だ。しかし、そんなことはどうでもいいやというような、細かいことにこだわらない、気にしない強さを感じさせる。
「あみん」を見て以来、この国道沿いの看板が気になって仕方ない。記憶をたどれば、さまざまな歌手、俳優、タレントが登場したが、似てるなあと感じたことは、これまた全くなかった。だけどその似てなさ加減が潔いのだ。
公営施設の広報用の看板だ。いろいろな評価、意見、感想があるに違いない。小耳に挟んだところでは、似ていないという苦情もないわけではないと。だからと言って、この路線が変わることはないのだ。いろいろな声が寄せられるということは、みんなが気にしているということではないだろうか。気になる看板なのだ。成功していると言えるだろう。
考えてみれば、あらゆることがデジタルに置き換えられていく。人間の表現が、2進法の信号に置き換えられていくのだ。この看板にアナログの良さを感じるという人は多い。僕もその一人だ。何よりも描いている人の楽しそうな表情が思い浮かぶのだ。
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