INDEX

  1. 横目流し目 南国の🍂
  2. Prof. Tagawa の揺れる音楽道 #93
  3. 清水哲男のサンクチュアリ
  4. 揺れて歩く人々の問い
  5. しみてつコラム 今回お休みします
  6. 清水哲男新刊書のご案内
  7. ご購入のご案内

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横目流し目 南国の秋


ただいま出張中で関西方面にいるのですが、つくづく感じました。いやあ、鹿児島はやっぱり暑いです。もう9月下旬になるわけだけど、まだまだ秋は遠いって感じですね。
でもね、朝夕はかなり涼しくなりましたし、日陰に入ると風が爽やかだなと感じられるようになりました。とくに海から吹いてくる風が心地よくて、海岸で日陰のベンチでごろっと横になるとそのままスッと寝られそうなくらい気持ちいいです。ああ、ああ、南国鹿児島にも秋の気配が忍び寄ってるのかなあってちょっとだけ感じました。小さい秋見つけたってね。
でもね、7月、8月の鹿児島は関西、関東よりも気温が低い日が続きました。そのうち鹿児島は避暑地になるんじゃないかと、そんな冗談も聞かれました。沖縄もね。
でもね、この時期くらいから逆転するんですよ。昨日今日などは鹿児島の方が圧倒的に暑い。特に東京は秋だなんてニュースで言ってましたけど、鹿児島はまだ夏の続きです。でね、秋になるんじゃなくて、そのまま冬になっちゃう。世間では四季が三季になるんじゃないかと言われてますけど、鹿児島はとうにそうなんです。秋はなくて夏から冬になる。それだけじゃない。なんなら冬から春を飛び越して一気に夏になる。そんな感じです。いやほんま。知らんけど。
でもね、身の回りで小さい秋を見つけるたびに、秋が深まっていくそんな感じです。鹿児島の、南国の秋も悪くないのです。
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Prof.Tagawaの揺れる音楽道 #93


The Town Where My Mother Was Born
An image of an old town rises in my memories, beckoning me. “Come home,” it seems to say. Yet, that place is not my hometown, but the town where my mother was born. It waits quietly within me to be revived.
music by F.Tagawa
Photo by T.Shimizu
©︎ F.Tagawa, T.Shimizu & office432, 2025

母の生まれたまち
思い出の中に古いまちの映像が立ち上がり、私を誘う。帰っておいでと。しかしそれはわたしのまちではなく、母の生まれたまち。私の中でじっとよみがえるのを待っている。
音楽:田川文彦
写真:清水哲男
©︎田川文彦、清水哲男、清水哲男事務所 2025年
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清水哲男のサンクチュアリ
カンティネッタ ヴルカーノ@天文館七味小路、鹿児島市

いつも元気で声のでかい渡瀬信也さん

カンティネッタ(Cantinetta)はイタリア語で「小さなワイン蔵」という意味だそうだ。ブルカーノ(Vulcano)は火山。「小さなワイン蔵のようなレストラン 火山」ということだ。もちろん火山は桜島のことだ。
はじめて入ったのは25年前だ。大阪から鹿児島に移動する飛行機の機内誌でこの店の紹介記事を読んだ。バーニャカウダとグラッパがおすすめだと。その頃鹿児島のイタリアンレストランでグラッパを飲めるところはそんなになかった。これは行ってみないとなと思い鹿児島に着いたその足で訪ねたのだ。
可愛い店だった。店の前にはオリーブの鉢植えがあり、ファサードの大半を窓が占めていた。通りから覗くと赤白のギンガムチェックのクロスがかけられたテーブルが並んでいた。予約なしだったが平日だったこともあり運よく入れ、窓際の席があてがわれた。
それから25年の付き合いになる。多い時は毎週のように通ったこともある。
厨房で忙しく手を動かす恵子さん

ホールはオーナーソムリエ渡瀬信也さんが取り仕切る。シェフは奥様渡瀬恵子さんだ。
信也さんは言う。「うちはイタリヤ風居酒屋です。気軽に楽しんでもらえばありがたいです。居酒屋使い大歓迎です」と。だから私は居酒屋使いに徹する。
さらに、後で知ったことだが一応ドレスコードなるものがあるらしい。そんなこと知らないものだから、夏なら短パンTシャツビーサンで大きな顔をして出入りしていた。さすがに悪かったなと思い謝ると「お客様の個性を大切にするのもおもてなしのひとつですから」と信也さんは笑った。「あくまでも家庭料理の店ですからね。肩肘張らずにくつろいでもらいたいから」と。
オーナー夫妻は東京、イタリアでそれぞれの腕を磨いてきた。ワインはピエモンテやトスカーナを中心にイタリア中の銘柄が100種類以上そろっているという。料理はコースはもちろん前菜・パスタ・リゾット・主菜・デザートまですべてアラカルトで、お腹一杯食べられる。メニューは毎日変わる。その日の仕入れにあわせて、ご主人が手書きのメニューをつくる。が、メニューにないものをねだっても、用意してくれたりする。目移りして決められないなら、すべてを委ねるのもいいかもしれない。
ある日の2本

ワインのことなんかほとんどわからない私はすべて身を委ねる。たとえばこんなふうに。「きんきんに冷えた白ワインでいちばん安いやつ」と。するとソムリエ氏は笑って応える。
「承知しました。清水さんの場合、何を飲むか、じゃなくて、何本飲むかが問題ですもんねえ」と。
で、必ず2本、多いときには3本飲あけてしまうことになる。
またある日の2本

ついでに言っておくと、ここのグラッパはいい。ワインを散々飲んだ後にグラッパをゆっくり飲る。これで完結という感じだ。つまり開店から閉店までしっかり腰を据えて飲んでしまうのだ。その上、隣あわせた客と盛り上がったりするから楽しいしおもしろい。まさにイタリア風居酒屋の面目躍如だ。 
だけどクリスマス・イブとバレンタインデーだけは「来ないでね」と言われる。さすがにその日はアベックばかりで、「満員なのに、めちゃ静かで。清水さんの雰囲気にあわないから」だそうだ。
ウニの冷製カッペリーニ

私の場合は、散々飲んだのに閉店後まで居座って、オーナー夫婦と飲む。これがまた楽しい…。あんまりだから、料理のことにも触れる。私のお気に入りは、トリッパ(牛胃)と豆のトマト煮、完熟トマトの冷製カッペリーニ・バルサミコ風味、自家製イカスミを練り込んだタリオリーニ・アサリとイカのソース、それにキャベツとアンチョビのスパゲッティなどだ。が、その日その日で仕入れた新鮮な魚介類や地元鹿児島、南九州産の牛、豚など行ってみてはじめて出会えるメニューもある。
宮崎牛ローストビーフ

やや1点何がある。ソムリエ氏がおしゃべり好きでその上声がデカいということだ。まるで自分が主役のようにしゃべり笑う。静にしみじみ食事を楽しむのはちょっと難しいかも。
「だってうちの売りは家庭料理と家庭的な雰囲気ですからね」
ソムリエ氏はそう言って笑う。
いずれにしても、料理もワインも本物。でも肩肘張らずに、楽しめる。飲んで騒いでサンタルチア、オソーレミヨ…てな感じで、今夜も酔っぱらいだぁ。
岩ガキ

球磨川産アユ

エスカルゴ

カンティネッタ ヴルカーノ
鹿児島市東千石町5-27
099−227−4543
コースやお料理、お値段、営業時間などは直接お問い合わせください

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揺れて歩く人々の問い
最近の失敗を教えてください。
大失敗はもちろんどこか微笑ましい失敗もOKです。


ある朝の清水哲男の失敗。毎朝美酢をミルクで割って飲むのですが、その朝は寝ぼけていたのですね。隣に置いていた中濃ソースのボトルを間違えて手に取りグラスに注ぎました。そこにミルクを。口に入れても、ソースの酸味が美酢のそれとそんなに変わらず、普通に飲んでしまいました。まあ、捨てるのももったいないから、それはそれでåよかったんだと自分を慰めています。色を見ればわかるんですけどね……。
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能勢厚さん
慣れないブラックコーヒーを飲んで吐いたことです。
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松園功さん
5月に万博へ行ったけど、事前の下調べをもっとしておくべきでした。現地で痛感しましたから、10月に再チャレンジします。現在情報収集中。
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古藤只充さん
この年になって警官を罵倒したことです😜
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Fujii Masakoさん
短い言葉であらわしましょうか…。『ダメ男に惚れがちな我が人生』……。現場からは以上です……。
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コメントいただいた皆さん。ありがとうございました。コメントは以下のページからもご覧いただけます。
https://m.facebook.com/groups/1651099238372682/permalink/3350038088478780/?
次の問いは次回ライブ配信時にお知らせします。〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉でお気軽にコメントくださいね!
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しみてつコラム

今回お休みします。悪しからずご了承ください。

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体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)

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最後までおつきあいありがとうございました。
本メールマガジンは原則毎月2回隔週にお届けいたします。
次号は10月10日(金曜日)配信予定です。
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