サンクチュアリ みんなのえびす丸@枕崎市

2月は逃げる? よく聞く言葉ですね。じゃあいったいどこに逃げていくのかというと、遠い時の彼方ですね。どこから逃げていくのかというと、もちろんあなたからですよ。そんなこと2月に限ったことではありません。いつも時間はぼくたちからどんどん逃げています。だからって1分1秒を無駄にしない!なんて言われると、ちょっと無理かなって思ってしまうぼくです。もう、67歳ですからね、残されている時間も少ないのですが、歳をとればとるほどゆっくりしたくなりますね。でもなぜか、急がないと!って思っちゃうんです。追いつけないってわかっていてもね。さ、急ごw

INDEX

  1. ゆらゆら劇場「いつかきっと」
  2. しみてつコラム「力のない言葉」
  3. ご購入のご案内

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しみてつコラム「力のない言葉」

若い頃、20代の終わり頃、一端(いっぱし)の物書きになったつもりで、次は映画の脚本を書いてみたいと思った時期があった。ツテを頼って取材と称しいろんな脚本家の話を聞いた。さらには東映や松竹や撮影所に潜り込んで、実際に使われた脚本を借りてはそれを丸写しにして、脚本とはいかなるものかを探ろうとした。その途上で映画の PR の仕事を得て、そうあれは東映の「火宅の人」だった、緒形拳、松坂慶子、原田美枝子、いしだあゆみなどという俳優、女優を相手にインタビューし、映画というものの奥の深さを垣間見た。
緒形拳さんには「質問が悪い。貴重な時間を割くんだからもっとよく考えてこないとダメだな」と叱られ、最後に深作欣二監督に話を聞いた時、大胆にも脚本家になりたいがどうすればいいのかと聞いたら、「そんなこと人に聞かずに頭とからだを使いなさい」と一蹴された。いまふり返っても恥ずかしくて顔が赤くなる。
それからしばらくして、新藤兼人監督の「裸の島」の脚本の写しを手に入れた。それを読みはじめて、いかに自分が浅はかだったかを思い知らされた。セリフのない映画がどんな脚本でつくられていたのか……。強烈だった。一つひとつのシーンが言葉で語られていく。だが文字を追うごとに目の前にそのシーンが立ち上がるのだ。セリフのない会話なのに、言葉が聞こえてくるのだ。
自分の文章はどうだろうと考えた。答えは明白だった。ぼくの言葉には力がないのだ。その力をどうやって自分のものにしたらいいのか……。以来ぼくは、人に頼らず自分の頭とからだを使って自分の言葉を力ある言葉にしようと、悪戦苦闘を続けている。脚本を書くのをあきらめたわけではないが、自らの言葉の力を確信してからだと思っている。
その後何度か脚本を書いてみてはどうかとすすめられたこともあったが、辞退し続けている。ぼくの分ではないと。

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頁数:192p
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