大雨に加えて新型コロナウィルスの感染拡大再燃と、まだまだ心が痛む毎日が続いています。京都ではALS患者への嘱託殺人事件が起きたり、いろんな局面で政治が右往左往したりの混沌とした状況を目の前にして、揺れまくってます。でも、揺れながら、自分の頭で考えながら生きていくことって大切だなと痛感する日々です。
INDEX
- ゆらゆら劇場「夏の祈り」
- 事務局からからいろんなお知らせ
- 〈今日の問いかけ〉役に立つのは金(かね)か、土(つち)か
- 〈ハッピーニュース〉分け合う 門間ゆきの
- しみてつコラム「命をかけたOKサイン」
- ご購入のご案内
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〈揺れて歩くニュース〉
事務局からからいろんなお知らせ
【ご案内】写真展を開催します/エディション・エフ
9月2日(水)〜13日(日)
レティシア書房(京都市中京区)にて。
13時から19時。
月火定休。
あとひと月余、先ですがぜひご予定くださいませ。写真展ではもちろん写真集『揺れて歩く』を販売します。
書籍の内容を見たいけど書店にない……そんな時は、図書館へリクエストしてください!
買うぞ!と決めたら、ぜひ書店にお取り寄せをご依頼ください。
またはこちらへ💁♀️
https://editionf.thebase.in/items/27544027
【書店情報】京都市/エディション・エフ
今日、河原町通のBALビル地下、丸善京都本店を訪ねました。「芸術」の棚に、『揺れて歩く』は面陳されていました。
『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』清水哲男著 2,200円+税
隣には、よく似たタイトルの、どうやら子どもが主役の写真集が並べてありました。「あるく」写真集がふたつ……人生の始まりから終焉まで、人間はいったい何歩、歩くんでしょうね。
写真展のDM葉書、地下2階のフライヤーコーナーに置いてくださっています。見つけたらよろしくねん。
【図書館情報】鹿児島市/清水哲男事務所
県立図書館、7月15日に「揺れて歩く」書架に並びました。
揺れて歩くラジオ〈今日の問いかけ〉
役に立つのは金(かね)か、土(つち)か
清水) 「コロナ、心配よね」
永山) 「いろいろ気がかりですよね」
清水) 「そんな中でね、金(かね)と、土(つち)について、最近考えてるのよ」
永山) 「それ、おもしろい対比ですね。ちょっと考えてみましょうか」
【揺れて歩くラジオ 2020年6月26日放送回より】
==>そこで皆さんに質問です。
みなさんは、「役に立つのは金(かね)か、土(つち)か」についてどうお考えですか?
いろんな返信をいただきました。ほんの一部をご紹介いたします。
土ですね。金は価値を認める人間が存在しなければゴミと同じですが、土は人間がいなくても植物を育て動物を育て価値あることを自ら行います。(M.Tさん)
私は正直決められないですね。私は旅が好きですが、金で移動して(交通費)、金で現地のさまざまな価値に触れます。金のかかる旅はしませんが、最低限必要であると役立ちます。(Y.Nさん)
そもそも、私にはこの二つを比べることができなかった(K.Nさん)
真似て身について活かせる、そこまでの過程が学びなのかなぁ…(M.Fさん)
この続きは〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉からどうぞ。
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/permalink/1774065782742693/
〈ハッピーニュース〉分け合う 門間ゆきの
「フラれたんじゃないの。相手が引いていったのよ。そういうことって、あるの。人間が出来すぎてるとね」。かっぽう着を着てカウンターに立つ、80歳の女将の言葉で涙腺が崩壊した。これっぽっちも事情を知らない人の言葉が、どうしてこんなにも響くのだろう。隣では常連の写真家の男が、焼酎でずいぶんと出来上がっている。
涙が誘う、とでも言おうか。女将と写真家は、昔の出会いや別れの話を始めた。もう3年ここに通っているけれど、聞いたことのなかった話がぽろぽろ出てきた。「失恋中の写真を撮りたいなあ」と写真家。「今しかありませんよ」と私。「いっぱい恋をしなさい」と女将。
2日後の昼、女将から電話があり、「ポテトサラダがたくさんあるからもらいに来なさい。大きなタッパーを持ってね」と言う。うちで一番大きなタッパーを2つと、宮城の油扶を持って出た。
ポテトサラダは本当にたくさんあった。新型コロナウイルスの影響で外出自粛の動きがあり、前夜は客が少なかったようだ。「どれくらい来るかわからないでしょう?来た時になくっちゃ困るからね」と女将。
油扶は卵とじにしてくれた。東京より北へ行ったことがない女将は、初めてだと喜んだ。二人で、おいしいね、と食べた。
笑って泣いて揺れて、いろんなものを分け合って、人は生きている。
しみてつコラム「命をかけたOKサイン」
「マイクさん、最終の確認です。呼吸器を着けますか?」
主治医がゆっくりたずねた。
マイクさんは首を横に振った。主治医は説明を続けた。一旦着ければ2度と外せないこと、呼吸はできるが身体の状況はさらに症状が進行し、苦痛や辛さは続いて行くこと……。同席した2人の家族は黙ってその状況を見守っていた。
すでにマイクさんは呼吸器を着けないと何度も意思表示してきた。それどころか「安楽自死」という言葉まで使い、病苦からの解放と尊厳を求めて死ぬ権利を認めて欲しいと訴え続けてきたのだ。
首を横に振ったマイクさんに主治医が重ねてたずねた。
「呼吸器を着けないのですね」
マイクさんはギュッと強くしっかり瞬きした。それは「イエス」のサインだった。それだけではなく、あれほど動かし辛そうにしていた左手を胸の上に持っていき、親指と人差し指でOKマークをつくったのだ。
それを見て主治医が2人の家族を見た。彼らは静かにうなずいた。その時僕はマイクさんが微笑んだように見えた。すべてが決まった瞬間だった。
「わかりました」主治医が言いました。「できるだけ苦しむことがないように……」
〈命をかけたのOKサイン〉
僕はマイクさんのOKサインをそう名付けて頭の中に焼き付けました。
折しも京都市では、安楽死を求める女性ALS患者の依頼を受けて2人の医師が彼女を殺害したというニュースが流れた。死ぬ権利は今のこの国では認められていない。しかし死に方を決めるのは自分自身だ。マイクさんはそのことを自らの選択で示した。
(写真撮影:清水哲男)
詳しくは〈ENJOY DEATH 死を楽しむ毎日。ALS患者とがん患者の難病を生きる往復書簡〉をどうぞ。
https://hikurashi.com/
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★「揺れて歩く」ご購入のご案内
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