京都、鹿児島での 3 週間に及ぶ同時開催写真展、無事全日程終了致しました。ありがとうございました。さらなる展開に向けて、もう「次」がはじまっています。休む暇なくです。この歳になると、ちょっとは休み休み行きたいなあとも思うのですが、逆に後何年仕事できるかなという恐怖感に背中を押されて、前へ進む日々です。振り返ってみると、あっという間の今年前半。1年なんてほんとうに速いなあ、歳なんてとりたくないなあと思う清水哲男です。
INDEX
- 種子島mini写真集「ISLAND LIFE」「ISLAND SCENERY」好評発売中!
- 南日本新聞連載〈「生きる」宣言〉最終回を迎えました
- Prof. 田川文彦の揺れる音楽道「ism/rhythm」
- しみてつコラム「自分で切り開く道」
- ご購入のご案内
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清水哲男写真展「種子島物語」開催にあわせて
種子島写真集「 ISLAND LIFE 」「 ISRAND SCENERY 」を発売しました!。
種子島の風景と暮らしを、展示した作品の中から 32 点に絞って収録しました。清水哲男には珍しいオールカラーの作品集です。お買い求めは、清水哲男事務所のBOOK SHOPからどうぞ。ちょっぴりお買い得な 2冊組も用意しました。
清水哲男事務所のBOOK SHOP https://shop.office432.jp/
清水哲男事務所近辺にお住いの方には手渡しも可能です。
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南日本新聞連載〈「生きる」宣言〉最終回を迎えました
2019年6月から連載を開始し、月に1回というのんびりしたペースで続けてきた〈「生きる」宣言〉ですが、2022年5月25日をもちまして最終回を迎え終了いたしました。異例の3年間という長期の連載でしたが、多くの皆さんから様々なご意見ご感想をいただきました。書いてきた本人にとっては、あっという間に終わったような気もします。長期のご愛読本当にありがとうございました。
もともとALS患者マイク藤井さんと、がん患者である清水哲男の「生きる」をめぐる葛藤を話し合った「往復書簡」に端を発して、マイクさんが亡くなった後は読者のみなさんの声を集めて、生と死をさらに深く見つめてきました。
新聞の連載は終了しましたが、このテーマについては今後も追求して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「往復書簡」は以下のリンクからどうぞ。
「ENJOY DEATH 死を楽しむ毎日ALS患者とがん患者の難病を生きる往復書簡」
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Prof. 田川文彦の揺れる音楽道
「ism/rhythm」
「揺れて歩く」 Soundtrack より https://soundcloud.com/yurete_aruku
「ism/rhythm」https://soundcloud.com/yurete_aruku/ismrhythm
6代にわたり受け継がれてきた職人の心意気と、ものづくりを中心にした暮らし。
槌を振るう音、鋸をひく音、乱れぬ呼吸。それらが伝統という系譜をつくっていく。
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しみてつコラム「自分で切り開く道」
〈悲観的にならざるを得ない状況の中で、生きるという意味が果たして見つかるのかどうか。暗中模索のような会話になるかもしれないし、堂々巡りになるかもしれません。それでも話をすること自体を目的にして、ひとつの結論を求めることなく、右往左往しながら話し合っていきたい〉
こんな書き出しで南日本新聞〈「生きる」宣言〉の連載がはじまった。
もとになったのは、がん患者であるぼくとALS(筋萎縮性側索硬化症)患者藤井マイクさんとの公開往復書簡「ENJOY DEATH 死を楽しむ毎日」だった。往復書簡も、連載も、マイクさんには生き続ける限り徹底的に社会と関わろうと励ますために、自分としては死に向かって豊かに生きることは可能なのか、そして豊かさとはいったい何なのかを知るために。
診断がついてからのマイクさんの言動は、少しでも前向きに残りの時間を過ごしてほしいという周囲の思いに反して、生きることに悲観的、否定的で、安楽死を求めるなど到底家族や、周囲のサポートを担う人に理解も納得もし難いものだった。
マイクさんは言った。
「どんなに前向きになったって、頑張ったって、状況がよくなるわけではない。待ちかまえているのは生き地獄。だったら早く死んでしまいたい。その方が私にとっても家族にとっても最善の道だ」と。
身動きもコミュニケーションも不能になって呼吸器を着け、ただ生かされる。そこに生きる価値があるのか。それでもまだ豊かに生きることが可能なのか。今死んだ方が人生を豊かなまま終われることにならないか。マイクさんにそう問いかけられた。何も答えられない自分が不甲斐なかったし、ALSという難病が生きたいと思う気力すら奪ってしまう現実に胸が痛んだ。結局ぼくには右往左往しながら話し合うことしかできなかった。連載がはじまり1年が経った頃、マイクさんは旅立った。マイクさんはぼくとの対話で何か得るものはあったのだろうか …… 。
ぼくはと言えば、この連載にあたってマイクさんをはじめ多くの当事者の死生観、生き死に接してきた。そこで学んだことは、人は死にいく自分とそれでもまだ生きていく自分の間を揺れながら、希望を縁(よすが)に人生という見えない軌道を力の限り進んでいくということだ。
ぼくはこれからも死にいく自分と、それでもなお生きていく自分の間を揺れながら、見えない軌道を進んでいくに違いない。しかし、それはあらかじめ敷かれた道ではなく、自分の力で切り開いた道を進みたいと思っている。
マイクさん、ありがとう。
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