20日ぶりに鹿児島に戻ってまいりました。京都での清水哲男写真展「種子島物語」、おかげさまで無事に全日程終了いたしました。とっても忙しかったけど、とても楽しい日々でした。どれくらい楽しかったかって? お約束していたグループページの更新も、何よりもライブ配信も飛ばしてしまうとというくらいで、こんなこと〈揺れて歩く&妄想ラジオ〉始まって以来のことです。申し訳有りません。ようやくひと段落したので、これからは心を入れ替えて、決めたことはきちんとやろうと心に決めた清水哲男です。
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清水哲男写真展「種子島物語」無事終了いたしました。
2000人以上の方にご来場いただきました
2022年4月20日(水)〜5月8日(日)の会期、当初はのんびりとした雰囲気でスタートしましたが、GWに入って雰囲気は一変しました。連日200人を超えるみなさんにご来場頂き、最終的には概算ですが2300人を超えました。平均すると毎日100人以上の方にお越しいただいたことになります。ご来場いただいた皆様には深く感謝いたします。
京都文化博物館別館の向かいのホールではKG〈京都国際写真フェスティバル〉のメイン展示、ギイ・ブルダン展が開催され、本館では〈鈴木敏夫とジブリ展〉が開催されていました。〈ジブリ展〉では1日に4000人が来場するというすごい賑わいでした。ギイ・ブルダン展でも行列ができるほどでした。ということで、清水哲男写真展はそのおこぼれに預かったと言えなくもありません(汗)でも、それだけ多くの方に見ていただいたということと、最後に清水の会場に訪れた大勢の方が「美しい風景に触れられてホッとできた」「緊張が解けた」と言っていただき、ああ、やってよかったなと実感しました。
中には昨年の同所での清水哲男写真展「揺れて歩く」をご覧いただいて、「同じ名前を見たから、もしやと思って来てみました」という方も何人かおられました。毎年やるってこういうことなんだと思いました。これはもう、3年目を目指さないと、と。さらに、「私の写真はアートではなくドキュメントです」といつもお話ししていますが、今回はその意味をさらに明確にするために、本種子島鋏と沖ヶ浜田の黒糖の展示販売を実施しました。作業の流れや携わる人々の暮らしのあり様などをお話しさせてもらうと、多くの皆様にお買い上げいただけました。
新しくつくった 2 種類のミニ写真集と、旧作ですが「種子島へ」「吐噶喇へ」をはじめとする拙著も多数お買い上げいただきました。主催していただきました非営利法人JARFOの皆さんからも「新しいギャラリー活用のスタイル」として評価をいただきました。
とりわけ種子島から直接来訪していただいた方や島の親戚や知人に聞いてきたという方も多くおられ、長年種子島を撮り続けてきてよかったと改めて思いました。
これからも自分の思う道を訥々と進んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
清水哲男写真展「種子島物語 文化打ち寄せる渚にて」
会場:JARFO京・文博
京都市中京区三条高倉京都文化博物館別館
会期:2022年4月20日(水)〜5月8日(日)
11:00〜18:00(最終日は16時まで)
まだまだ好評開催中!清水哲男の鹿児島での二人展です
仕事を舞台に続けた対話・対酌の形をお楽しみください。
僕がただ漠然と竹之内彬裕氏の仕事風景を撮りだしたのは2009年1月のことだから、もう13年あまり撮り続けてきたことになる。カメラを向け、多くを語り合い、飯を食い、酒を飲む。そんな日々を重ねきた。2019年1月からは「竟の仕事」という明確なテーマを設けた。人生最晩年の仕事の風景をということだ。しかし、ますます旺盛にパワフルになっていく氏の創作意欲に写真を撮らされている僕がいた。今回はその〈力〉が「匣」の中に込められた。蓋を開けた時、そこにはいったいどんな世界がひろがるのか、楽しみでならない。(清水哲男)
竹之内彬裕×清水哲男 陶匣と写真で綴る陶芸家の日々訥々
会期:2022年4月24日(日)〜5月15日(日)
開場:11:00〜18:00(最終日は17:00まで)
会場:蒲生和紙ギャラリー
〒899-5307 姶良市蒲生町久末2409-2
TEL (0995)52-8993
入場:無料
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Prof. 田川文彦の揺れる音楽道
「LASTHBD 最後の誕生日」
「揺れて歩く」 Soundtrack より https://soundcloud.com/yurete_aruku
「LASTHBD 最後の誕生日」https://soundcloud.com/yurete_aruku/lasthbd
半年の余命宣告を受けた夫の誕生日。「来年もこうやって誕生日お祝いできたらええな」妻の言葉に夫はかすかに頷いた。
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しみてつコラム「思わぬ再会」
その小さなおばあさんは、ギャラリーに入ってくるなり、まっすぐ僕のそばまで走ってきた。そうして僕の手を取って、ありがとうな、ありがとうなと繰り返し。僕にしがみつくように抱きついた。何が起きたのか、僕には咄嗟に飲み込めなかった。その後から8人ほどの人が入ってきて、すし詰め状態になったギャラリーの中で、おばあさんは僕の手を取り続けた。
「あっ」
ようやく僕は、彼女が今回の写真展でメインの写真となった「花踊り」の女性だとわかった。開催前に種子島の彼女を探し出して訪ね、写真の展示を了承してもらったのだ。その後DMに使用したことを知らせるためにそれを送ったのだった。
でもまさか、ほんとうに訪ねてくれるとは …… 。後から来た8人はおばあさんの息子、娘、孫、ひ孫だった。家族総出で来たくれたのだ。鳥肌が立つどころか、ちょっと目頭が熱くなった。
「80歳を超えて、もう最後の旅行になるかもしれないから」おばあさんはそう言って笑った。家族の多くは関西方面で暮らしているそうだ。僕の写真展を家族が集まる場に選んでくれたのだ。
「こんなぁ綺麗に撮ってくれて、幸せじゃ」
来場者のどんな評価よりも、最後になるかもしれない旅行先に僕の写真展を選んでくれたことが、何よりもうれしかった。写真を撮ってほんとうによかったと思ったし、おばあさんを探し出し、ちゃんと出展の了承を取ってよかったと思った。
帰っていく彼女の小さな後ろ姿に、遠いところ、ほんとうにありがとね、おかあさんと繰り返した。次に種子島に行くときは必ず寄りますからね、と。
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