こんにちは。揺れて歩くニュース編集担当の清水哲男です。二百十日を過ぎて、少々涼しくなったかなと感じる朝晩ですが、日中はまだまだ暑い日が続きます。新型コロナウィルスの感染拡大も、不気味なひろがりを見せています。くれぐれも体調管理にご注意を!
さて、僕は京都で開催中の「揺れて歩く」刊行記念写真展の会場に張り付いています。13日までです。お近くの方ぜひお運びください。
INDEX
- ゆらゆら劇場「台風」
- かごんまオンライン本市〜鹿児島ゆかりの著者と繋がろう〜を開催しました
- 絶賛開催中です!「揺れて歩く」刊行記念写真展@京都
- しみてつコラム「読者よ、君はこれを知る」
- ご購入のご案内
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〈揺れて歩くニュース〉
事務局からからいろんなお知らせ
【お知らせ①】
かごんまオンライン本市を開催しました(8月30日)
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、書店から足が遠のいたり、読書イベントが開催できなかったりと本について人と語る機会が少なくなっています。こんなときだからこそ、オンラインで鹿児島ゆかりの作家とつながり、鹿児島の本文化を盛り上げようと、開催。前半はFacebookで作家紹介をライブ配信し、後半はZoomのブレイクアウトルーム機能を使って、作家と参加者が個別に語り合いました。
ゲストは、丸山晃さん(著書「旅をする本ー開こう、心おどる読書の扉ー」)、清水哲男さん(「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」)、燦燦舎・さめしまことえさん「新ぐるっと一周!九州開運すごろく疫病退散バージョン」)、梶原末廣さん(かごしま朗読Cafe主催)、窪壮一朗さん(石蔵ブックカフェ主催)。後半のZoomには鹿児島、愛知、京都、栃木から8人の参加者が入り、じっくり、ときにわいわい、本当に読書会をしているような雰囲気でした。
イベント終了後すぐに本屋に行って著書を購入したという参加者や、前半のライブ配信しか見られなかったけれど本を注文しましたと連絡をくださる東京の方も。本を通して人と人が繋がる場をつくることができた手応えを感じています。これからもこのようなイベントを企画したいと思います。作家の方、本好きな方、ぜひ参加してくださいね!ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。
参加者の声(アンケートより)
・究極のアナログツールである本をオンラインに融合させる取り組みに興味を持ちました。別の地域にいながらにして、鹿児島の取り組みに触れられました。作者の人となりを知ってから本に出会う、というのも、オンラインが得意とする取り組みだと思います。
・今日をきっかけに読みたい本を読む!という気持ちになりました
・作家さんと直接お話できて贅沢な時間をありがとうございました。
ゲストの声
・このイベントがなければ繋がれなかった人と繋がれた。コロナで直接読者と話す機会がことごとく奪われているのでうれしかった。
・読者やこれから読みたいと思っている方と話せて、作家としてのこちらに火が付いた。
ライブ配信動画はFacebook「「揺れて歩く人々の対話テーブル」にも残っています。ぜひご視聴ください。
【お知らせ②】
絶賛開催中!「揺れて歩く」刊行記念写真展
9月2日(水)13時、レティシア書房(京都市中京区)にて「揺れて歩く」刊行記念写真展がスタートしました。地元京都新聞や毎日新聞で紹介され、初日から多くの人で賑わいました。両親の旧い知り合いや、路地の近所に住んでいたという人が訪ねてくれて、懐かしい話や僕も知らなかった両親の話を聞くことができました。この場に母がいたらどんなに喜んだろうと思うと、連れてこられなかったことが残念です。写真展は13日18時まで続きます。(清水哲男)
しみてつコラム「読者よ、君はこれを知る」
写真展の会場は京都御苑の南、閑静な住宅街の一角にある書店だ。店主こだわりの本が並んでいる。写真展の接客のために詰めているのだが、本に囲まれてうきうきする時間を過ごしている。懐かしいボードレーヌの詩集もある。昔書いた短いエッセイを思い出した。
読者よ、君はこれを知る
〈われらを動かす操の絲を握るは、悪魔なり〉
久しぶりに『悪の華』(ボードレール)を手に取った。このところ、自分にとても疲れていたんだ。妙に、大人ぶったことを書こうとしていたり、あまりにもまともなことを口走ったり……。毒がなくなっちゃったみたいだ。
ぼくは書きはじめたころから、つまらない世間に背を向けて無頼を気取ってきた。ところが人が評すると、「社会批評に独特の切り口を持ち、時事問題などを柔らかいタッチでつづる」となるそうだ。ぼくが書いていた新聞連載の著者紹介の一節だ。ほめていただいて光栄だが、なんだか「私は世間を知ってます人間」になったみたいで、ちょっとつらい。
そんな自分に嫌気がさしたとき、ぼくは決まってこの本を読む。四十年ほど前に、はじめて読んだ時の衝撃はいまも忘れない。〈愚痴、過失、罪業、吝嗇は/われらの精神を占領し、肉體を苦しめ……〉という書き出しではじまる冒頭の「読者に」という序詩に、ぼくはこころを鷲掴みにされた。悪魔の囁きみたいだ。そう思ったことを鮮明に覚えている。そう、ぼくが書きたいのは、夢の続きのような甘ったるい詩や、大人ぶった社会批評などではなく、悪魔の囁きのような背徳に満ちた物語りなんだ。読む人のこころを押さえつけ、ひきちぎり、目を覚まさせる力に満ちた。
〈読者よ、君はこれを知る、この微妙なる怪物を/--偽善の読者、--わが同類、--わが兄弟よ〉
さて、今日もゆっくり客を待つことにしよう。
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