サンクチュアリ 樫尾酒店@西院折鶴会館 京都市右京区

月に2回このニュースレターやライブ配信を続けていると、時間の経つのがはやいはやい。もう8月も終わり。今年もあと4カ月ですよ。たまりませんなあ。で、僕は来月68歳ですよ。でね、68のジイさんが「僕(ぼく)」と言うのもなんだかなと思って、まわりの若い連中に聞いてみたのです。「自分」のことをなんと称すべきかと。まあいろんな声が返ってきました。
「わたし」「わたくし」「吾輩」「拙者」「身共(みども)」「余(よ)」「うち」「おいら」「わい」「あっし」「こちとらあ」「儂(わし)」「我(われ)」「朕(ちん)」などなど。まあしかし、どれもパッとしないと言うか、時代錯誤というか、頭に丁髷(ちょんまげ)をのっけているならいざ知らず、なんだかねえと笑ってると、「やっぱり『僕』か『わたし』でしょう」ということで衆目の一致をみたようです。「でも僕』でしょ。清水さんは。『わたし』じゃ人生が大人しくなっちゃいそうですよ」ということなので、この際歳のことは気にせず「僕」で押し通そうと決めた清水哲男です。

INDEX

  1. Prof. 田川文彦の揺れる音楽道
  2. 今年は京都でしみてつ祭りか!?
  3. しみてつコラム「50年ぶりの家族旅行」
  4. 種子島mini写真集「ISLAND LIFE」「ISLAND SCENERY」好評発売中!
  5. ご購入のご案内

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Prof. 田川文彦の揺れる音楽道

palmistry:手相ー予後の兆し

「palmistry:手相ー予後の兆し」https://soundcloud.com/yurete_aruku/palmistry
微かな望みを手相に託す。「ほら、まだまだ生命線ははっきりしてるし長いで。昔から長生きの相やと言われたもんや」と父。すでに自らに残された時間は短いことを、彼はよく知っている。
清水哲男写真集「揺れて歩く」サウンドトラック https://soundcloud.com/yurete_aruku

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今年は京都でしみてつ祭りか!?
清水哲男展「物語(ストーリー)の系譜」
ある作家の鉛筆1本勝負40年@えほん館むむむ


会期9月1日〜10月3日(火曜日、水曜日は定休日)
開場10:00〜18:00(金曜日は19:00まで)〒604-8375 京都府京都市中京区西ノ京池ノ内町 23-5
TEL:075-366-6169

https://www.facebook.com/kyomachiya.ehonkan.mumumu20220416/
京都での写真展・イベントが決まりました。いまの「清水哲男」をそっくりそのままご覧に入れようという壮大な企画です。お近くの方はぜひお立ち寄りください。
18日以降は清水も在廊いたします。
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40年間ひたすらにドキュメンタリーを書き続けてきた。売れる、売れないにこだわらず、徹底的に時間をかけ取材をし写真を撮り文章を書くという、地を這うような仕事の仕方をしてきた。その結果としての僕の「今」がある。それは僕自身の人生の物語だし、僕のもののみかた考え方を醸成してきた日々でもある。今回えほん館むむむさんの協力を得て、自分自身でその系譜を俯瞰する機会を得た。なんてことのない僕の人生だが、こうやって並べるとちょっと面白いかもしれないな。そんなことを考えている。(清水哲男)
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◉ギャラリーイベント
9月18日(日)「ビール片手に 清水哲男の独白」16:00〜
9月24日(土)「ビール片手に 清水哲男 × 花田睦子(えほん館館長)のトークバトル」16:00 〜
両日とも参加費無料。ただしお飲物ご希望の方は実費を頂戴します。ソフトドリンク(無料)もございます。
参加ご希望の方は、えほん館むむむ( 075-366-6169 )にご予約お願いいたします。

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しみてつコラム「50年ぶりの家族旅行」

奈良東大寺大仏殿

もう8年ほど前の今頃のことだ。両親を奈良に誘った。90歳を過ぎた母がまだ元気で、自分の足で歩けるうちにと。家族の最後の旅行になるかもしれないなと思ったのだ。
僕たち家族にとって奈良は思い出の場所なのだ。それについてはかつて「時間の澱」というコラムの中で触れたが、正月2日には必ず東大寺に参り、1日を奈良公園で過ごした。両親はともにその誘いを喜んでくれた。正月ではないが出かけようと。何年ぶりになるかと母が指折り数えた。僕が両親と行動を共にしたのは、小学校5年生10歳までだった。
「50年ぶりになるえ」
母は驚いたような声をあげたが、うれしそうだった。父は何も言わなかったが、やはりうれしそうだった。
しかし母の体調が急に悪くなり行けそうにもなくなった。
「また具合がよくなったらみんなで行こう」
ぼくがそう言うと、父がぼそっと言った。
「もう行けへんかもしれんな。お前写真を撮ってきてお母ちゃんに見せたってくれや」
「なんでやねん。元気になったらみんなで行ったらええやん」
ぼくは笑いながら返したが、次の日には奈良に行き、母が好きだった場所の写真を撮り歩いた。
「何やってんだ、俺は …… 」
自分にそう毒づきながら。しかし母は周囲を驚かせる快復を見せた。そうして父の具合が悪くなった。末期の癌だった。
診断がついた頃こそ、まだまだ元気で医者の診断ミスだなどと冗談を言っていたが、4カ月と経たないうちに痩せ細り寝たきりになってしまった。
「やっぱり50年ぶりの奈良には行けへんかったな。けどお前が撮ってきた写真は無駄にはならんかったな」
冗談のつもりだったのだろうが、父自身も笑えなかった。母も、僕も笑えなかった。
その2カ月後父は他界した。50年ぶりの家族旅行は終ぞ実現できなかった。

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種子島写真集「ISLAND LIFE」「ISRAND SCENERY」好評発売中です!。


種子島の風景と暮らしを、展示した作品の中から32点に絞って収録しました。清水哲男には珍しいオールカラーの作品集です。お買い求めは、清水哲男事務所のBOOK SHOPからどうぞ。ちょっぴりお買い得な2冊組も用意しました。
清水哲男事務所のBOOK SHOP https://shop.office432.jp/
清水哲男事務所近辺にお住いの方には手渡しも可能です。

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「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」概要
頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)
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