【ご案内】

新型コロナウィルス感染拡大により、「揺れて歩く」上梓に関連する以下のイベントを中止または延期とさせていただきます。

  1. 4月14日 タカダワタリズム2020+出版披露の会@イパネマを中止に
  2. 4月18日〜21日 清水哲男写真展「揺れて歩く」@スペースMuを状況改善までの延期に
  3. 4月18日 金森幸介ライブ@スペースMuを中止に
  4. 4月19日 大阪の仲間たちライブ@スペースMuを中止に

それぞれいたします。 この件に関して清水哲男とエディション・エフ、「揺れて歩く」出版応援団事務局は、それぞれ以下のコメントを発表しました。

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清水哲男の出版と写真展等の活動を
応援してくださるみなさまへ
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新型コロナウィルス感染拡大下のぼくの活動について

今この国では日に日に新型コロナウィルスの感染が拡大し、鹿児島でも感染者が確認されました。その一方で、メディアを通じて流れてくる情報をどこまで信じていいのかもわかりません。その結果、ぼくは東京や鹿児島、果てはこの国の中で起こりつつあることをどう受け止めていいのかわからないというのが正直な気持ちです。多くの人が、混沌の中で目に見えない恐怖に対する不安に身を縮めて、それでも生きなきゃと仕事と暮らしに向き合っているのだと思います。

そんな中、大勢の皆さんのご支援をいただき、ぼくの新刊「揺れて歩く」が刊行されます。そうしてその普及にあわせて、みんなで「生きること」を真ん中において、様々な議論を深め考えるプロジェクトを進める取り組みがはじまろうとしています。その中核のひとつとしていくつかのイベントを考えていました。そこに新型コロナウィルス感染拡大という状況が重なりました。

国は感染拡大防止策として不要不急の外出自粛を求め、専門家会議は密閉空間、密集場所、密接場所の「三密」を避けるようにとの提言をしています。しかし、鹿児島ではいまだ不要不急の外出の自粛を求められることはありません。当初ぼくは、新型コロナウィルスに対する闘いは、自分自身で徹底した感染防止策を実行した上で、ルーティンを淡々と続けることだと考えていました。すべてを自粛するのではなく、たとえば客足が落ちて困っているお店を順繰り回り飲み続けたり、集会や、イベント、ライブにも顔を出したり、公共交通機関もタクシーも普通に使ったりと。でないと、新型コロナウィルスに負けてしまうし、無責任で不誠実な国、厚生労働省をはじめとする行政システムの言いなりになってしまうことになる。それはぼくがこれまでカウンターカルチャーという周辺分野で生きてきたということにも関わることでした。

確かに現状起こりつつある検査体制の矛盾、予想される医師、病床数の不足、保健所機能の脆弱性などは、従来の政策の行き着くところとして推測されていたことで、それが新型コロナウィルスによって暴かれた側面はあると思います。そのことをおいて、ぼくたちに自粛を求め、果てに商品券をばら撒き、無利子とはいえ返さなければならない融資でお茶を濁し経済対策だと豪語する政府・行政は厳しく批判されなければならないと思います。 しかし今、ほんとうの敵は政府・行政ではありません。真の敵は新型コロナウィルスなのです。この敵を封じ込めるために、打ち勝つために、ぼく自身ができることを考えてみました。その結果、新刊上梓にあわせて予定していたいくつかのイベントを延期または中止しよう、あるいは実施の方法を変えようと思います。

ひとつは4月14日に予定していた鹿児島市東千石町イパネマでのタカダワタリズムと新刊披露の会を中止に、さらに4月18日から21日までの大阪市桃谷スペースMuでの写真展「揺れて歩く」と関連するライブを状況が落ち着くまでの延期にしたいと考えています。また、新刊披露の会は、SNSを活用した形での開催を目指します。

政府・行政に対抗する、批判することだけを目的にイベントを開催することで、感染のリスクをつくり出し、もし感染源となる場所をつくり出してしまうなら、それこそが非常事態宣言という制限と強制の社会を生み出す口実になるばかりか、真の敵新型コロナウィルスを利することになります。それだけはなんとしても避けたいと思います。

そもそもぼくは、生きて死ぬことをもっと自分の頭で考えようよという意味を込めて「揺れて歩く」を書きました。今がまさにその時だと思っています。そうして考えた結果、このような結論となりました。

しかし、どのイベントも遠来していただくゲストや、会場を提供していただく方の事情もあります。関わっていただく大勢の方の事情も含めて考えた苦渋の決断だとご理解ください。

みなさん、なにが大切か、なにをなすべきか、どう生きるか、そんなことをじっくり考えて行動しましょう。そうして新型コロナウィルスに打ち勝った時、あらためて集い楽しい時間を共有しましょう!

清水哲男事務所 清水哲男

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皆さんとのつながりを信じて

新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、清水さんとじっくり対話を重ね、今回の決断にいたりました。いま社会のあらゆるつながりが試されています。私は、清水さんと、清水さんを応援するすべての皆さんとのつながりを信じて、今回のイベント延期を共に決断させていただきました。皆様、ご理解いただけますと幸いです。

「揺れて歩く」出版応援団事務局長  永山由高

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あなたの愛する人の時間のために、今は家に留まりましょう

新型コロナウイルスなどというものの到来は、飽くなき環境破壊を続ける人間の傲慢のひとつの帰結でしょう。

私たちは、いきすぎた開発、いきすぎた実験、いきすぎた生産、果てはいきすぎた殺戮を繰り返しては自然界から大きなしっぺ返しを食らう、学習しない生き物です。とうとう目には見えないウイルスに足元をすくわれ、瀕死の状態です。とはいえ、それでも、長い時間をかけてこのウイルスを克服する日が訪れるに違いありません。ただし、そのあいだにはきっと大きな大きな幾万の犠牲を払わなければならないでしょう。幾千万もの人々が、大切な存在を突然奪われる悲しみと対峙しなければならないのです。

エディション・エフの新刊、清水哲男著『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』は、余命宣告を受けた父と寄り添う母の様子を撮影し続けた息子による記録です。約五か月半といえば、ひとつの家族の長い時間の中のほんのひとときに過ぎませんが、「いのちの期限」を切られた三者が互いにその生きざまを見つめ認め合う様子が凝縮されており、モノクロの写真と文章から伝わります。

本書の刊行に合わせて写真展、また著者を囲んでのトークイベント等が企画されていましたが、当面、それらいっさいが中止または延期されることになりました。ですが本書は予定どおり刊行されます。ぜひ、書籍を手にしてお読みいただきたいと切に願います。

人は、いつか必ず死にます。そして、思いどおりには死ねないものです。だからせめて、準備の時間がほしいのです。突然足元をすくわれて倒され、苦しめられて死にたくなんか、ありません。あなた自身と、あなたの愛する人の時間のために、今は家に留まりましょう。本屋さんにだけ、出かけてください。『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』を買うために。

エディション・エフ代表 岡本千津

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