INDEX
- 横目流し目 人の風景
- Prof.TAGAWAの揺れる音楽道
- サンクチュアリ Starlit@柿木畠, 金沢市
- 揺れて歩く人々の問 「昭和」とは?
- しみてつコラム 夕景に、あのピアノが聴こえる
- 【おっさんずライフ】新作公開
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横目流し目 人の風景

最近よく言われます。
「清水さんは、人のいる風景にこだわって写真を撮っているのですね」と。 でも、僕の意識は少し違います。僕がずっと追い求めてきたのは、「人の風景」なんです。
「人のいる風景」と「人の風景」はどう違うんだ、って思いますよね。
僕はこんなふうに考えています。
「人のいる風景」は、風景が主(あるじ)となります。風景の中に人がいる状態なのです。
一方で「人の風景」は、人が主となります。その人がそこに存在するからこそ生まれる風景がある。そう思っているのです。
じゃあ「風景ってなんだ?」という話になります。僕は思います。
「風」は空気であり、その揺らぎや気配だと。
「景」はまさに光そのものだと。
「人のいる風景」とは、風景の中に人が取り込まれること。
「人の風景」とは、その人の心象にある光と影が、空気に映し出されたもの。つまり、人の内面から生み出される風景だと言ってもいいかもしれません。
よく言われる「空気を撮る」とは、内面を撮るということではなく、内面から生み出される風景を撮ることなのだと、僕は思うのです。
そんな「人の風景=空気」を撮りたくて、僕はシャッターを切り続けているのです。
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Prof.TAGAWAの揺れる音楽道
Wine after Sex
Wine after Sex
静かな想いの正体は、
酷薄さと優しさの溶け合う
淪落への憧れ。
The true nature of this quiet desire—
a longing for downfall, where cruelty and tenderness dissolve into one.
music by Fumihiko Tagawa
Photo by Tetsuo Shimizu
©️F.Tagawa, T.Shimizu & Office432 2026
カバー写真はUnsplashのLeanid Hubarenkaによる。
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清水哲男のサンクチュアリ
この歳になって、ラムの本当の美味さをあらためて教えてもらった。
星空にテロワールを散りばめたような静かな夜に。

あちこち旅へ出かける。出かけた先には必ず、自分だけのお気に入りのバーがある。
今回は金沢だ。小山町の「穆念(BOKUNEN)」と片町の「倫敦屋酒場」は外せないが、ここにもう1軒、どうしても素通りできない店が加わった。柿木畠の「Starlit(スターリット)」。金沢の街を案内してくれた同行者の紹介で訪れた。世界各国のラムが楽しめる店だという。

ラムはもともと好きな酒だった。特にダークラムの、熟成を重ねて落ち着いた味わいがたまらなく好きだった。一番のお気に入りは〈ロン・サカパ・センテナリオ〉。グアテマラの高地、標高2,300メートルの冷涼な環境で6〜23年熟成された原酒をブレンドした、なめらかな甘みと深いコクが特徴のプレミアム・ダークラムだ。この説明だけで、いかにも大人の酒という佇まいがする。
そう、僕はラムを「大人の酒」だと思っていた。だからモヒートやラムトニックは滅多に口にしないし、ラムコークなど論外だ。そんな偏屈なこだわりを抱いていた。

ところがカウンターにつき、同行者から「ここのモヒートは格別に美味い」と言われ、喉の渇きもあって素直に従ってみることにした。
多くのバーでありがちなことだが、香りを立てようとするあまり、ライムやミントを必要以上にマッシャーで潰してしまう店は少なくない。それでは香りよりも先に苦味が出てしまう。バーテンダーにとって、モヒートは簡単に見えて実はもっとも難しいカクテルなのだ。

現れたのは、俳優の吉岡秀隆さんに似た、優しげな顔立ちのオーナーバーテンダーだった。最後に炭酸を注いで軽くステアし、客の前に供すまでの淀みのないスムーズな所作は、彼の物腰の優しさをそのまま表現しているようだった。
差し出されたライムとミントの香りが爽やかな一杯は、僕の予想を鮮やかに裏切る美味さだった。

「RAIN MAKER(レインメーカー)」(愛媛)、「NAGURA(名蔵)」(石垣島)
「普段はいつも、どんなラムを飲まれているのですか?」
そう尋ねられ、ダークラムが多いと答えると、「それでは」とカウンターに何本かのボトルが並べられた。見ると、そこにはダークラムは1本もない。ホワイトラムが3本に、ゴールドラムが1本。さて、どれにするか……。もちろん、当たり前のようにすべてを飲んでみることにした。

北から南房総、愛媛、種子島、石垣島。産地は様々だ。味わいはそれぞれに個性的だが、どれも驚くほど滑らかで香りがいい。グラスを傾けると、訪れたこともないその土地の風景……、いや、降り注ぐ陽の光までもが目に浮かぶようだった。
これがいわゆるテロワール(土地の個性)というやつか。たしかに、大地の香りがする。国内でこれほどまでに美味いラムがつくられていたなんて。一歩一歩を踏みしめるように楽しむ。ラムと言えばダークラム、と思い込んでいた自分が急に恥ずかしくなった。


この歳になって初めて、ラムという酒の本当の深みを知った気がする。
金沢にまた1軒、どうしても暖簾をくぐりたくなるバーが増えてしまった。
ちなみに「Starlit」とは、日本語に訳せば「星明かり」という意味になるだろうか。
穏やかで、静かな夜を過ごすにはうってつけの店だ。
Starlit
金沢市柿木畠4-14 栗原ビル 4F
TEL : 076-209-5456
定休日 日曜日(月曜日が祝日の場合は営業)
https://www.instagram.com/starlit_kanazawa/
営業時間・予約・価格については直接問い合わせてください
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揺れて歩く人々の問
「昭和」と聞けばあなたは何を思い浮かべますか?

「昭和」って1926年12月25日から1989年(昭和64年)1月7日までで、日本の元号の中で最も長く続いた時代でした。日中戦争、太平洋戦争から狂乱の経済成長を経て日本が大きく発展した時代、あるいは激動の時代などと言われていますが、あなたにとって
「昭和」とはどんな時代だったでしょう。あるいは何を思い浮かべますか?
また、まだ生まれてなかったという若い世代のあなたにとっては、「昭和」はどんな時代に映っているでしょう。
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Masako Fujiiさん
私の思い浮かべる昭和なモノはスナックだな。
酒やけした声のママとちょっとしたお料理が上手なチーママのいる店で、目の前の百円玉入れた小皿から一曲歌ったら二百円とか引いていかれる。カラオケも、8トラからレーザーディスクに変わる時代。
一人酒が好きな私は旅先でそういう店を見つけるのが好きだった。
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奥本 博典さん
小学1〜2年生の頃のミナミの街並み!(昭和38年39年頃)
子供の頃新世界が近くだった日本橋東に住んでいて、日曜日は家族で千日前とか道頓堀に出かけてました。今でも『昭和』と聞くと、その頃の猥雑で埃り臭く、ゴミが道に投げ捨てられていた、人でごった返していて、みんながバイタリティ溢れる、旧いビルヂングだらけの街が心に蘇ります。
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後野 典子さん
親戚集まっての正月の集いかな。
祖父が生きていた頃は、正月に祖父の家に集まりました。みんなで百人一首するのが決まりでした。歳はのいかないいとこは、懸命に下の句を覚えてきても、あたしらに負けるのでべそかいてました。
もう、法事でもあんなに集まることはないなぁ。
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松園 功さん
万博でしょう、1970年の大阪万博は小学生で「月の石」観に行きました。
また、初めて「フライドポテト」なるものを歩きながら食べる経験も。
昨年の万博にも行きましたが、70年の方が活気に溢れていた印象ですね。
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Chi-b Hasegawaさん
おうどん屋さんの出前。リヤカーで来る風鈴屋さんや氷屋さん。パンツのゴムを売りにくる押し売りのおっちゃん。町内中に鳴り響くために1家に1個有る非常ベル。学級の電話連絡網。などですね
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コメントいただいた皆さん。ありがとうございました。コメントは以下のページからもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/groups/1651099238372682/posts/3732624616886790
次の問いは次回ライブ配信時にお知らせします。〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉でお気軽にコメントくださいね!
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しみてつコラム
夕景に、あのピアノが聴こえる

夕景に相応しい一枚をと問われれば、僕はためらうことなく浅川マキの「ライブ 夜」を選ぶ。
少し前なら同じ浅川マキの「灯ともし頃」とどちらにしようかと悩んだかもしれないが、今は「ライブ 夜」一択だ。「ライブ 夜」も「灯ともし頃」も、夕景から夜を語るにふさわしい。特に長年聴き込んだ塩ビ盤なら、傷音さえ時間をくぐもった風景に思わせてくれる。
なぜ「ライブ 夜」なのか。それは、この一枚を聴くと、あの日の西部講堂へ戻れるからだ。
このライブは1977年11月だったと思う。京都大学の西部講堂で録音されたものだ。僕は当日、西部講堂のゴザの上で酒と音に酔いながらライブを体感していた。その時はじめて渋谷さんの演奏に触れたのだ。それ以来、その音色の虜になり、ずっと聴き続けてきた。渋谷さんはこの7月に亡くなった。
浅川マキに呼び込まれた渋谷さんは、ステージをゆらゆら浮遊するように歩いていた。僕は酒に酔っているのかなと思ったが、浅川マキがその時のことをライナーノートで触れている。渋谷さんが登場したシーンで、ドラッグで死んだジャズピアニストソニー・クラークを思ったと。
その時渋谷さんが演奏したのは「淋しさには名前がない」「あなたに」「裏窓」の3曲だけだったと記憶している。いや、他にもあったかもしれないが、この3曲が僕の印象に強く残っている。
「ライブ 夜」のジャケットには、浅川マキの傍で渋谷さんが笑っている。僕の知っている渋谷さんは、ずっと笑っていた。それは音楽を楽しむ笑顔だと思った。
塩ビ盤「ライブ 夜」に針を落とす。何度となく繰り返し聴いてきたレコード。パチパチと傷音が拍手の音と重なる。渋谷さんが呼び込まれる。浮遊するように歩く渋谷さんが思い浮かぶ。
「淋しさには名前がない」のイントロが流れる。体の芯が、今も同じように震える。6分に満たない曲だが、ドラマを目の当たりにしているようだ。その向こうには、いつも夕景がある。
西部講堂のゴザの上で、酒と音に酔っている自分がいる。ピアノは、まだ聴こえている。
もう50年になるんだな。
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【おっさんずライフ】新作公開しました。
『僕はこんな酒を飲んできた』
2025年7月から2026年8月まで。僕はこんな酒を飲んできた。繰り返し、繰り返し、飲んで飲んで、そして飲んで……。
これがすべてではないですが、主なところは含まれてます。
ほぼ1銘柄1回の登場になりますが、それぞれ何度も繰り返し大量に飲んだことに間違いはありません。
『僕はこんなものを食べてきた 麺食い編』
身体によくないなあとは思いつつ、わかっちゃいるけどやめられない、あっそれ〜〜🎶
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著者が本著の中で目指したのは流れ行く時間の可視化です。身の回りの何気ない風景、漂う空気、そして人々との出会いを縁に時間を紡いでいきます。
今回は完全私家版としての上梓です。大手書店、Amazonなどでの取り扱いはありません。購入ご希望の方は下記URLからどうぞ。
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【「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」概要】
頁数:192p
体裁:B5変形横型(182mm×210mm)
ISBN:978-4909819086
2020年4月15日 初版発行
価格:2420円(本体2200円+税)
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最後までおつきあいありがとうございました。
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次号は2026年9月25日(金曜日)配信予定です。
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