INDEX

  1. 横目流し目 時の流れに身をまかせ
  2. サンクチュアリ レトロ居酒屋ハザマ
  3. 揺れて歩く人々の問
  4. しみてつコラム 悪くないじゃん
  5. ご購入のご案内

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横目流し目 時の流れに身をまかせ

クマさんの『泡沫(泡沫)』篠原勝之展@京都場

『人生 漂えど沈まず』
クマさんこと鉄のゲージュツ家篠原勝之の言葉です。
NHK・ETV「こころの時代」追悼再放送で、4月に亡くなったクマさんの暮らしを描いた作品を見ました。淡々とした時間の流れに浸りながらも、すべてのものは生まれそして朽ちていくんだと思いました。それが生きるということなのだと。
クマさんは、モンゴルやサハラ砂漠、四万十川など世界の辺境を舞台に、巨大な鉄のオブジェを造り続けてきました。それぞれがその場(ところ)の自然、風、光、水、空気と一体となった作品です。それらは生み出された瞬間から自然と一体となって朽ちていく。砂漠、草原という広いところで自然に対峙する。辺境でないとだめなんだ。都市のど真ん中などは考えられないと。
甲斐駒ヶ岳の麓の工房で、初めての自伝的小説を書き、脳梗塞を得てからは病すらひとつの好機とでもとらえたかのように、鉄のゲージュツから自作の窯で手のひらに乗る宇宙だと茶碗を焼き続けます。廬舎那(るしゃな)池と名付けた庭の蓮(はす)池には、東大寺ゆかりの蓮華(れんげ)の花を植えます。一即一切、ひとつの微塵(一)の中には、世界のすべて(一切)が溶け込んでおり、つながっている。どんな小さなものの中にも宇宙があるという華厳世界を創り出しました。
17歳の時、室蘭から家出して上京し、夢を追いかけ漂うように生きてきたと。その人生は日々の小さな出来事の積み重ねでした。漂ってきたとクマさんは言いますが、すべてに意味があり、すべてが繋がっているのです。苦難も喜びも、何もかもすべて含めて。
お母さんの言葉が心に残りました。「悲しい時は手を動かせ」と。戦後の貧しい時期を働くことで生き抜いた人の言葉は重みがあります。どんなに苦しくて悲しい今も、明日につながっているのです。そのために手を動かせと。
クマさんのように生きたいなと言うと、あなたも漂うように生きているじゃないかと言われました。確かに僕も夢を追いかけ生きてきましたが、「人生 漂えど沈まず」と言うより激しく沈み人生の底を這うように生きてきたなと思います。
何かを求めて漂うのではなく、時の流れに身をまかせ、流されながら。
でも、それも悪くないなと。
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清水哲男のサンクチュアリ
昭和に生まれ育ってきたジイさんに 「またここで飲みたいな」と素直に思わせてくれる酒場

昭和レトロ居酒屋ハザマ@ライカ1920/鹿児島中央タワー,鹿児島市中央町

中央駅周辺、いや西駅一番街の再開発で現れた職住一体型の高層ビル鹿児島中央タワーの1階に好きな店がある。
最新のビルのワンフロア昭和レトロを標榜する一画で、なんとも言えない良い雰囲気を醸し出している。オロナイン軟膏やグリコ、ナショナル坊やなどの懐かしいホーロー看板がこれでもかと掛けられている。カウンターに座っていると、昭和を思い起こさせる屋台で飲んでいるような錯覚に陥るのだ。私が酒を飲みはじめた昭和50年代にはそんな屋台が街のあちこちに店を出していたものだ。そういう移動する店も今や「キッチンカー」などとハイカラな呼び名になってしまった。昭和は遠くなったものだ。

気に入っているのは、昭和の香りだけではない。同じフロアーにある他店に比べて圧倒的に静かなのだ。
この店を境にフロアの奥に進むと「かごっまふるさと屋台村」となり、インバウンドや観光客、そして地元の若い客で混雑する。彼らのお目当ては「せんべろ(ドリンク3杯+肴1品で1000円)」だ。安くて酔えるのが売りだが、水割りやソーダ割り、サワー類は薄いし、ビールは1杯しか飲めない。それに肴は推して知るべしといったところだ。賑やかといえば聞こえはいいが、要するにうるさくて落ち着けない。

一方昭和レトロ居酒屋ハザマはいつ行っても静だ。この店には流行りの「せんべろ」なるものがないからだろう。だが、1000円出せば「90分ドリンク飲み放題」がある。残念ながらビールとワインは除外だが、もう500円出せば何の制限もない完全飲み放題になる。それになんと言っても肴がうまい。
この日注文した「3種のモツ煮込み(850円)」や「チーズとろーりハムカツ(760円)」、「アボカドとマグロのタルタル(870円)」などは、確かにフロア内の他店よりは少し高い。しかし、量も味も群を抜いている。
聞けばここは、天文館で出汁(だし)を売りにしている店の系列店だという。なるほど、「極み出汁!大根の唐揚げ(780円)」は、中までしっかりと旨い出汁が染み込んでいて深く頷かされる。ただし、どれも一品の量が多いので、一人で行くなら「3種のモツ煮込み」だけで十分に満足できてしまうほどだ。

3種のモツ煮込み
チーズとろーりハムカツとアボカドとマグロのタルタル
冷や奴
極み出汁!大根の唐揚げ

壁に貼り出された品書きに目をやると、なんだか味のあるヘタウマなイラストが添えられている。ロボットのような冷奴のトウフ、スズメみたいな鳥刺しの鶏、ドクロにしか見えないアサリ(どうもホタテと間違えているようだ)……。そういえば「ヘタウマ」も昭和に流行った言葉だった。
ホーロー看板を眺めながら酒を飲むと、かつてその企業がスポンサーになっていたテレビ番組を思い出す。懐かしいテレビ番組の記憶までが蘇ってくる。細かいところまで、実にニクい昭和O君が撮ってくれた55年前のしみてつ。何をうたっているのだろうレトロの演出だ。なるほど、昭和に生まれ育ってきたジイさんがホッとするわけだ。「またここで飲みたいな」と、素直に思わせてくれるのだ。

昭和レトロ居酒屋ハザマ
ライカ1920/鹿児島中央タワー
〒890-0053 鹿児島県鹿児島市中央町19−40
営業時間・定休日・価格など詳細は直接お問い合わせください

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揺れて歩く人々の問
あなたの人生最大のピンチを教えてください。

2017年11月27日午後 強がりの笑顔を浮かべて手術室に向かう清水哲男

日々生きてればいいことも悪いこともたくさんあるはず。いいことというのはすぐに忘れてしまうけど、悪いことってなかなか忘れられない。そう思いませんか? そこであなたにおたずねです。これまでに人生最大のピンチと呼べるようなピンチはありましたか?
ちなみに清水の人生最大のピンチは、いまのところ9年前の手術です。詳しいことはラジオで!
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山田 正博さん
虫垂炎を触診もせず胃腸炎と誤診し整腸剤を処方した1人目の薮。3日後あまりの痛さに夜間に別の病院に飛び込んだら「多分虫垂炎ですが明日の朝当院のドクターが出勤するまで耐えて」とストレッチャーの上に放置した夜勤バイトの2人目の薮のおかげで虫垂破裂による腹膜炎。本当に死ぬところでした。
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松園 功さん
忘れもしません、対馬に行く計画してたですね!
私は初めてバスガイドした時に、交通事故に遭い足を骨折した。
勿論、ガイドは続けられず、病院に直行しツアーに迷惑かけ、足は痛いし、完治迄半年位かかり、更に一年後に再手術で金属抜くも、いまだに足は違和感があります。
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Masako Fujiiさん
先月乗ったさんふらわぁは大ピンチでした。
15時間の船旅なのでひとり酒飲み明かそうと、日本酒にはちょっとエエ雲丹おかき、赤ワイン白ワインにはチーズとマスカット、ハイボールとチューハイには山本山の海苔せんべいと、個室も取って呑む準備は完璧だったのに、出発2時間後から激揺れで机のコップも滑り落ちるくらい。ベッドに置いたマスカット以外の水分補給出来ないくらい酷かった。
酔い止め飲んだから全然しんどく無かったのでまた行きはさんふらわぁ帰りは新幹線旅リベンジしてみたいです。
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後野 典子さん
そんなもんは、ひとに語れない
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Tokiko Watanabeさん
芝居をしていた頃、上演前の人だらけのわちゃわちゃした空間。男の子と大道具を運んでたら何かにぶつかった。それは、天井のライトを触ってた照明の方の高い高いハシゴだった!
上からの怒鳴り声。ハシゴは無事だった。一歩間違えば、人を殺してた。未だに思い出すたび、肝が冷えます。
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コメントいただいた皆さん。ありがとうございました。
次の問いは次回ライブ配信時にお知らせします。〈揺れて歩く人々の対話テーブル〉でお気軽にコメントくださいね!
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しみてつコラム
悪くないじゃん

O君が撮ってくれた55年前のしみてつ。何をうたっているのだろう

高校2年生のクラス会に行ってきた。
55年ぶりに顔を合わせる人も少なくなかった。会場に入ってすぐにわかった人もいたし、見違えるような人もいたが、少し時間が経つとみんなあの頃に戻り懐かしい話に花が咲いた。
何人かはすでに亡くなっていた。黙祷からスタートしたが、さみしさと会えなかった時間の長さを改めて知らされた。
そのひとりにクラスのまとめ役だったO君がいた。カメラが趣味だった彼が遺してくれた級友たちの写真が、会場の壁を埋めていた。そこには、55年前のあどけなさが残る笑顔が溢れ、まるで笑い声が聞こえてきそうだった。ギターを抱えてうたう僕もいた。
あの頃いったい僕は何を思っていたのだろう。どんな未来を思い描いていたのだろう。
翌年僕らは受験を迎え、それぞれの道を歩みはじめた。時間は戻せない。だからこそ長い人生の入り口に立ったあの頃が愛おしく思えるのだ。一方で、自分は思い描いたように、うまく生きてこられたのだろうかと思う。あの頃思い描いていた未来にとうにたどり着いているはずだ。
近況を語り合う。みんなそれぞれの人生を歩いてきたのだ。忙しかったり、患ったり、連絡が取れなかったりで、参加が叶わなかった級友たちの、それぞれの『今』に思いを馳せた。幸せかなどと聞きたいとは思わなかったが、どこかで笑顔でいてくれているといいなと思った。
数日後、再会した旧友と短いメッセージのやりとりをした。彼は言った。
「時間は戻せない。でも、あの頃の自分たちが今の俺たちを見たら、きっと『悪くないじゃないか』と言ってくれると思うよ。再会できて嬉しかった。ありがとう」と。
悪くない、か……。
そうだな。あの頃の僕は、その後の僕の悪戦苦闘に満ちた人生を知らない。
漠然と今があるわけではない。55年間、必死に生きてきた結果が今なのだ。悪いはずはないのだ。
うん。悪くないじゃん、俺。
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